久部が樹里に呼ばれたのは、WS劇場の事務所。今のメンバーで上演できそうなシェイクスピア作品を調べてきたと樹里が意欲を見せるが、久部は冷たい表情に。語気強く「上演作品は僕が決める」と言われてしまった。

その後、樹里は開場後の舞台袖で、伴工作(野間口徹)に演出助手について質問。演出助手は演出家とは異なり、実務的な仕事を行う役割だと聞き、樹里はやってみたいと声をあげる。肯定的な伴の言葉に、彼女はうれしそうに笑顔を見せた。

蓬莱(神木隆之介)の芝居は壊滅的だったが…スタンディングオベーションが巻き起こる!

今夜も開幕した劇団クベシアターの『冬物語』。しかしトニーの代役を務める蓬莱は、極度の緊張でしどろもどろ。あまりの大根役者ぶりに、客席からもクスクスと笑い声があがるほど。さすがの久部も肩を落とす。

エンディングを迎えようとしたその時、客席から出番ではないはずの大瀬が登場。モネ演じるハーマイオニに愛の告白をし、賛同を求める大瀬に、観客たちは拍手喝采。

幕が下ろされると、怒り心頭な是尾とは対照的に、久部はこれこそが“ノイズ”だと大喜び。是尾以外のキャストでカーテンコールを行うと、スタンディングオベーションが巻き起こった。

終演後の劇場では、モネが大瀬に怒りをぶつける。役ではなく大瀬自身としてプロポーズさせ、全力で拒絶をするモネだが、大瀬は、朝雄の父親が誰であろうと、モネの息子なら自分は朝雄を愛すると誠実な態度で訴えた。

テンペストでは、大門が、今後は1日2万円の使用料だけで劇場を使えるようになったと劇団員に報告。すべてトニーのおかげだ、と。そして大門が乾杯しようとしたところで、それは久部の役割だろうとさりげなくリカが止め、久部が音頭を取って乾杯する。

さらに、大瀬とモネの正式な交際、フォルモンとパトラの新コンビ結成と、うれしい報告が相次ぐ状況に、ご機嫌な大門。一方、久部とリカが座っている横に樹里がやって来ると、リカがスタッフはプロを揃えるべきだと言い出す。久部が席を外すと、本業に専念するよう直接的な表現で樹里に釘を刺した。

席を外した久部は、大門を事務所に誘う。店を出て行きながら、リカと目配せを交わす久部。テンペストの風呂須太郎(小林薫)と仮歯(ひょうろく)は、2人の様子を見逃していなかった。