水10ドラマ『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』は、1984年の渋谷を舞台にした青春群像劇で、三谷さんの半自伝的要素を含んだ完全オリジナルストーリー。
好景気に浮き足立つ世相の一方で、渋谷の片隅にはまだ何者でもない若者たちの苦悩と挫折、ときに恋模様も。不器用ながらも、生きることに一生懸命な“人間くさい”人たちが、目と目を合わせ、心と心を通わせ、ときに激しく衝突しながらもエネルギッシュに生きた「1984年」という時代を、三谷ワールド全開で笑いと涙いっぱいに描きます。
2025年11月19日(水)に放送された第8話のあらすじ完全版を紹介します。
『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』第8話あらすじ完全版
「そうか、そんなにいちゃつくのか!」 トロイラスとクレシダ
久部三成(菅田将暉)率いる劇団クベシアターは、今日もシェイクスピア後期の名作『冬物語』を上演中。
WS劇場の客席では、八分神社の神主・江頭論平(坂東彌十郎)の隣で、巫女であり論平の娘・樹里(浜辺美波)がメモを取っている。久部に頼まれ、カットできるところを探しているのだ。
是尾礼三郎(浅野和之)とケントちゃん(松田慎也)の掛け合いが行われているそのとき、客席から突然ヤジが飛ぶ。タバコを片手にヤジを続けるのは、倖田リカ(二階堂ふみ)の元に最近戻って来た情夫・トロ(生田斗真)。是尾は動揺しながらも、平静を装って芝居を続けた。
舞台袖からその様子を見るパトラ鈴木(アン ミカ)、毛脛モネ(秋元才加)、彗星フォルモン(西村瑞樹)、伴工作(野間口徹)。WS劇場で長年働いてきた4人は、トロに気づく。エスカレートするヤジにしびれを切らしたフォルモンが、袖から飛び出して一喝すると、トロはサングラスをかけ直し黙り込んだ。
一方、事務所では久部と演出助手・蓬莱省吾(神木隆之介)、劇場支配人・浅野大門(野添義弘)と妻・フレ(長野里美)、そしてオーナーのジェシー才賀(シルビア・グラブ)が、スピーカーから本番の様子をうかがっていた。
もっと好き勝手に振る舞う客たちがいた時代を回顧するジェシーは、劇場の運営状況へと話を変える。客数が増えないのは上演時間が長すぎるのが理由だと指摘し、現状の90分から45分に短縮、1日2回公演から6回公演にしようと提案。作品のクオリティも役者の体力も考えない横暴さに、久部は笑顔のまま怒りをみなぎらせるが、オーナーの言葉には逆らえず…。
出番のため部屋を出た久部に続く蓬莱を呼び止めるジェシー。『ハムレット』や『ロミオとジュリエット』といった有名な作品は上演しないのかと問いかけるが、蓬莱は、久部が是尾を中心に考えているため、彼が主演できない作品は難しいと説明した。
さらにジェシーは、久部がいなくても蓬莱がいれば何とかなるのではと言い、久部は夢を見すぎだと付け加える。蓬莱も不安を隠せない。

