水10ドラマ『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』は、1984年の渋谷を舞台にした青春群像劇で、三谷さんの半自伝的要素を含んだ完全オリジナルストーリー。

好景気に浮き足立つ世相の一方で、渋谷の片隅にはまだ何者でもない若者たちの苦悩と挫折、ときに恋模様も。不器用ながらも、生きることに一生懸命な“人間くさい”人たちが、目と目を合わせ、心と心を通わせ、ときに激しく衝突しながらもエネルギッシュに生きた「1984年」という時代を、三谷ワールド全開で笑いと涙いっぱいに描きます。

2025年11月26日(水)に放送された第9話のあらすじ完全版を紹介します。

菅田将暉主演!三谷幸喜脚本!水10ドラマ『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』登場人物・キャスト一覧

『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』第9話あらすじ完全版

「私は夢を見た、アントニーという皇帝がいた」 アントニーとクレオパトラ

倖田リカ(二階堂ふみ)を歌舞伎町で働かせようとしていたトロ(生田斗真)を撃退した久部三成(菅田将暉)は、WS劇場の客席でリカと親し気に語らっていた。

住まいを尋ねられ、今はグローヴ荘の201号室で寝泊まりしていると答える久部。実家は小田急線の千歳船橋だと久部が言うと、リカは小声で「意外と近い…」とつぶやく。

そのつぶきに気づかないまま、久部は劇団が軌道に乗ったら『ハムレット』をやろうと思っていると目を輝かせて夢を語り始める。ハムレットは自らが演じ、恋人のオフィーリアはリカに演じてほしいと言う久部。リカは久部がWS劇場に来てから何もかもが変わったと話し、軽く口づけた。

翌日のWS劇場では、ジェシー才賀(シルビア・グラブ)がトニー安藤(市原隼人)を今夜貸してほしいという話をしていた。ある“ヤバい取引”に行ってきてほしいというのだ。しかも帰りは、夜公演の開演時間である19時を過ぎるとのこと。

劇場支配人の浅野大門(野添義弘)と妻・フレ(長野里美)も見守るなか、久部は役者が揃ってなければ幕を開けられないと一蹴する。しかし、ジェシーは、自分が雇っている従業員なのだから本来断りを入れる必要もないと圧をかけ、トニーを貸してくれれば今週分の支払いはチャラにしてもいいと言い出した。

毎週120万円の工面に苦労している大門は、この話に乗るよう久部にささやく。躊躇う久部。最終的には、19時までには帰らせるという約束で、トニーを貸すことに頷いた。

久部は、演出助手の蓬莱省吾(神木隆之介)、江頭樹里(浜辺美波)、舞台監督の伴工作(野間口徹)の3人と、今夜の公演をどうするか話し合う。

トニーが出番までに戻るか分からないまま幕を開けることに、蓬莱と伴は反対。かつて同様のことがあったとき、警察沙汰になり、トニーが戻ったのは3日後だったと聞いて久部は驚きの声をあげる。樹里もやめたほうがいいと、蓬莱と伴に賛同。

ジェシーからの圧力と現場の意見の間で板挟みになり、オーナーに逆らえる立場にいるのかと大声を出す久部。そこで蓬莱が、本人に聞いてみてはと取りなす。