水10ドラマ『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』は、1984年の渋谷を舞台にした青春群像劇で、三谷さんの半自伝的要素を含んだ完全オリジナルストーリー。
好景気に浮き足立つ世相の一方で、渋谷の片隅にはまだ何者でもない若者たちの苦悩と挫折、ときに恋模様も。不器用ながらも、生きることに一生懸命な“人間くさい”人たちが、目と目を合わせ、心と心を通わせ、ときに激しく衝突しながらもエネルギッシュに生きた「1984年」という時代を、三谷ワールド全開で笑いと涙いっぱいに描きます。
2025年10月22日(水)に放送された第4話のあらすじ完全版を紹介します。
『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』第4話あらすじ完全版
「人間ってなんて馬鹿なんでしょ!」 夏の夜の夢
初日を翌日に控え、緊張と不安をみなぎらせた久部三成(菅田将暉)は、案内所のおばば(菊地凛子)のもとを訪ねていた。
東宝ミュージカル出演という経歴を持つおばばは、久部に「甘さで足元をすくわれ、甘さで人に救われる」と告げる。その手には、逆さまになった「愚者」のタロットカードが握られていた。

久部の古巣である劇団・天上天下の『夏の夜の夢』公演は順調な様子。
終演後、劇団主宰の黒崎(小澤雄太)は制作スタッフ・トンちゃん(富田望生)に、明日のWS劇場で上演される『夏の夜の夢』のチケットを取るように指示。内心、久部を応援しているトンちゃんは、パッと顔を輝かせて頷く。
風紀の乱れに耐えられないと、八分坂から出ていきたがっている巫女・江頭樹里(浜辺美波)がいる八分神社には、スーツ姿の男が訪れていた。樹里の父である神主・論平(坂東彌十郎)の訴えを受けて、周辺環境を調査しに来た神社本庁の清原(坂東新悟)だ。

1日も早く出ていきたいと訴える樹里に対し、自分たちが去ると廃社になると聞いた論平は、複雑そうな表情。
清原ももう少し続ける選択肢はないかと様子をうかがう。WS劇場の『夏の夜の夢』のチラシをカバンから取り出し、「街も変わりつつあるようではないですか」と。その言葉に論平は賛同するが、樹里はきっぱり否定した。