水10ドラマ『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』は、1984年の渋谷を舞台にした青春群像劇で、三谷さんの半自伝的要素を含んだ完全オリジナルストーリー。
好景気に浮き足立つ世相の一方で、渋谷の片隅にはまだ何者でもない若者たちの苦悩と挫折、ときに恋模様も。不器用ながらも、生きることに一生懸命な“人間くさい”人たちが、目と目を合わせ、心と心を通わせ、ときに激しく衝突しながらもエネルギッシュに生きた「1984年」という時代を、三谷ワールド全開で笑いと涙いっぱいに描きます。
2025年12月10日(水)に放送された第10話のあらすじ完全版を紹介します。
『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』第10話あらすじ完全版
「万歳、やがて王となるお方!」 マクベス
トニー安藤(市原隼人)の帰りを待ち、あの手この手で上演時間を引き延ばした公演を終えた夜。久部三成(菅田将暉)はジャズ喫茶「テンペスト」で、敬愛する演出家・蜷川幸雄(小栗旬)と向かい合っていた。
演劇は猥雑であるべきだと考える蜷川は、元ストリップ小屋でのシェイクスピア劇の上演を絶賛。さらにイレギュラー尽くしだった今夜の『冬物語』は、予定調和で終わらない“ノイズ”があったと言い、久部は目を輝かせ、蜷川の言葉に耳を傾ける。
古い付き合いの是尾礼三郎(浅野和之)には低い評価を下すが、彗星フォルモン(西村瑞樹)とパトラ鈴木(アン ミカ)の漫才に「あれがノイズだ」と蜷川。続けて、大瀬六郎(戸塚純貴)を「彼は伸びます」と予見し、途中乱入して芝居を見せた江頭論平(坂東彌十郎)を「ただの雑音」と酷評する。
最後には、知り合いにも観劇を勧めると言い、久部を激励。信じられないほどの幸運に驚くばかりの久部は、「がむしゃらに突き進みなさい」との蜷川の言葉に、元気よく返事を返した。
その後、久部はWS劇場の事務所で支配人・浅野大門(野添義弘)と共に、オーナー・ジェシー才賀(シルビア・グラブ)と対峙することに。
トニーが残したカセットテープの音声をジェシーに聞かせる2人。それは、トニーが逮捕されることになった詐欺事件に彼女が関与していた証拠。久部たちはこのテープと引き換えに、これまで彼女に納めていた週120万円の支払いを無しにしてほしいと取引を持ちかけたのだ。
予想以上にあっさりと久部たちの要求を飲むジェシー。今後はジェシーが劇団クベシアターに、週13万円でWS劇場を貸すという形に落ち着いた。
ジェシーを見送った久部は大門に、蜷川からの評価を伝える。先が見えない状況に光が差してきたことに、飛び跳ねて喜ぶ2人。
案内所では神がかった様子のおばば(菊地凛子)が久部を待っていた。おばばは、久部に対しやがて小屋主になると予言。久部は、大門がいることからその予言はあり得ないものと否定するが、おばばは「世界はあなたのもの!」とさらに予言する。

