水10ドラマ『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』は、1984年の渋谷を舞台にした青春群像劇で、三谷さんの半自伝的要素を含んだ完全オリジナルストーリー。

好景気に浮き足立つ世相の一方で、渋谷の片隅にはまだ何者でもない若者たちの苦悩と挫折、ときに恋模様も。不器用ながらも、生きることに一生懸命な“人間くさい”人たちが、目と目を合わせ、心と心を通わせ、ときに激しく衝突しながらもエネルギッシュに生きた「1984年」という時代を、三谷ワールド全開で笑いと涙いっぱいに描きます。

2025年10月1日(水)に放送された第1話のあらすじ完全版を紹介します。

菅田将暉主演!三谷幸喜脚本!水10ドラマ『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』登場人物・キャスト一覧

『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』第1話あらすじ完全版

どうなろうとも、時は過ぎる、どんなひどい日でも マクベス

昭和59年、秋。

好景気に浮足立つ渋谷の街は、最先端のカルチャーが集まり、若者たちでにぎわっていた。その片隅にある小劇場「ジョン・ジョン」では『クベ版 夏の夜の夢』の公演中。しかしその劇団・天上天下では、劇団員たちによるクーデターが勃発する。

詰め寄られていたのは演出の久部三成(菅田将暉)。蜷川幸雄に憧れる久部の演出はあまりに奇抜すぎて、最後まで観てくれた観客はわずか5人だけだったのだ。

「あんたの芝居は面白くないんだよ」と言われると「面白さに価値を見出すな」と怒声を上げ、アルミの灰皿を投げつけようとする久部。

共に劇団を立ち上げた劇団代表の黒崎(小澤雄太)とも言い合いになり、怒りを爆発させながら夜の街を彷徨い、怪しいアーケード街「八分坂」に辿り着いた。

ネオンが光る八分坂のストリップ劇場「WS劇場」では、看板ダンサー・いざなぎダンカン(小池栄子)がショーの真っ最中。客はまばらだが歓声があがり、リボンを投げる常連客もいる。それなのに、衣装やメイク道具が溢れる楽屋に戻ってきたダンカンは浮かない表情で、ベテランのパトラ鈴木(アン ミカ)に相談を持ちかける。

一方、もう1人のダンサー・毛脛モネ(秋元才加)は、小学1年生の息子・朝雄(佐藤大空)を探し回っていた。

劇場の向かいにある古アパート「グローヴ荘」の一室では、お笑いコンビ「コントオブキングス」がネタ合わせ中。

新人放送作家の蓬莱省吾(神木隆之介)がネタの微調整を提案すると、ツッコミ役の彗星フォルモン(西村瑞樹)は即却下。一方、ボケ役の王子はるお(大水洋介)が本番でその提案を使ってくれ、蓬莱はうれしそうに微笑む。