水10ドラマ『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』は、1984年の渋谷を舞台にした青春群像劇で、三谷さんの半自伝的要素を含んだ完全オリジナルストーリー。
好景気に浮き足立つ世相の一方で、渋谷の片隅にはまだ何者でもない若者たちの苦悩と挫折、ときに恋模様も。不器用ながらも、生きることに一生懸命な“人間くさい”人たちが、目と目を合わせ、心と心を通わせ、ときに激しく衝突しながらもエネルギッシュに生きた「1984年」という時代を、三谷ワールド全開で笑いと涙いっぱいに描きます。
2025年11月12日(水)に放送された第7話のあらすじ完全版を紹介します。
『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』第7話あらすじ完全版
「私をかつての私だと思ってはいけない」 ヘンリー四世
『夏の夜の夢』の初日から1週間。久部三成(菅田将暉)率いる劇団クベシアターは、怒涛の日々を送っていた。
初日にうる爺(井上順)を失った久部は、交通誘導警備員として働いていた、是尾礼三郎(浅野和之)を劇団に迎えることに。
しかし、かつてシェイクスピア俳優として活躍していた是尾は、シェイクスピア後期の名作『冬物語』であれば出演するという。久部はその条件を飲み、上演用台本を執筆。劇団の人々は、昼は『冬物語』の稽古、夜は『夏の夜の夢』の本番という怒涛の1週間を送ったのだった。
しかし過酷なのは、オーナーのジェシー才賀(シルビア・グラブ)が劇団に課したノルマ、週120万円の支払い。『夏の夜の夢』は観客数が思ったほど伸びず、売上はノルマの半分以下のわずか51万6千円。
支配人・浅野大門(野添義弘)の妻・フレ(長野里美)は、売上金を持って田舎に帰ろうと言うが、大門は「是尾礼三郎の復活は演劇界にとっても大ニュースです!」と熱弁する久部に、再び賭ける。
父から受け継いだ“赤糸威本大札大鎧(あかいとおどしほんおおざねおおよろい)”を売り払い、なんとかジェシーへ渡す金を工面した大門。しかしジェシーは、売上をごまかす小細工などお見通しだと、久部にプレッシャーをかけた。

