橋本愛さんと瀬戸康史さんが、人生の岐路に立つ同棲カップル役で共演。お互いの印象について語りました。
FODオリジナルドラマ『にこたま』は、渡辺ペコさん原作の同名コミックを実写ドラマ化。恋人、結婚、家族の“当たり前”を根底から揺さぶり、“正解のない愛”に徹底的に向き合う挑戦的なラブストーリー。
弁当店で働く浅尾温子（橋本愛）と、弁理士の岩城晃平（瀬戸康史）は、大学時代に出会って12年、長年同棲を続けるカップル。日々ともに食卓を囲み、互いの小さな変化にも気づける今の関係に満足した毎日を送っていた中、晃平は同僚の高野ゆう子（比嘉愛未）とたった一度、関係を持ってしまい…。
人生の岐路に立ったカップルの葛藤と選択が、日常の風景や季節の移ろいの中で、ポップでありながら深く繊細に描かれます。
めざましmediaでは、温子を演じる橋本さんと晃平を演じる瀬戸さんにインタビュー。本作の魅力や日常を丁寧に描くという本作のスタイルについて、また、お互いの印象についても聞きました。
橋本愛「渡辺ペコ作品は自分にとってバイブルのような存在」
――まずは、原作を読んだ感想を教えてください。あっちゃん（温子）は、周囲に流されることなく自分らしく生きたいと願う女性として描かれています。
橋本：あっちゃんには、共感する部分と、「とてもかなわない」という両方の思いを持ちました。物語が進んでいく中で、あっちゃんがする「選択」を理解しがたいと思う人もいるかもしれませんが、私は尊敬します。世の中にはきっと、あっちゃんのような生き方をしている人もいるでしょうし、そういう人が少しでも息がしやすく、生きやすい世の中になったら素敵だなと思いました。
瀬戸：原作を読んだのは数年前になりますが、その時から晃平とあっちゃんの関係性を素敵だなと思っていました。それぞれの問題への向き合い方、次の一歩の踏み出し方に、希望を感じるのでとても好きな作品です。
――渡辺ペコさんは、『1122（いいふうふ）』、『恋じゃねえから』など、時代に即した新しいパートナーシップの描き方に定評がある漫画家です。
橋本：渡辺ペコさんの作品は大好きでずっと読んでいます。とても強い感情が土台にあるけれど理性的で、誰も切り込んだことのない部分を切り開いている印象です。自分の人生を生きているだけではたどり着けないであろう思考や視点を与えてくれる、自分にとってバイブルのような存在です。
瀬戸：今でこそ、「いろいろな人がいますよね」という多様性への考え方が定着してきましたが、それを随分前から作品で扱っていらしゃったと思います。重いテーマでも、こちらの体にすっと入ってくるような印象です。世の中を人とは違うアンテナで見ている方だと感じます。
――あっちゃんと晃平をどのような人物だと捉えて演じましたか？
橋本：あっちゃんが友達から「冷めてる」と言われて、心にざらっとした感触が残るという描写があります。その原因はどこからくるのかと考えた時に、子どもの頃に母親を亡くしたという強烈な悲しい体験があったため、自分の感情を抑える癖がついてしまったのかなと感じました。
「ちゃんとしなければ」と思って生きてきただろうし、感情よりも理性を優先してきたから、人の目には「冷めてる」と映ってしまう。私はいつも役と一心同体になる気持ちで演じていますが、本作ではあっちゃんが他者を思いやるように、私もあっちゃんを大切に思いやる気持ちで演じています。
瀬戸：晃平はとても難しい役なので、どのぐらい微妙なニュアンスを出せるのかという不安もありました。僕は他者との関係性を築く時に、できるだけ心地よい空気感の方向に持っていく癖があるのですが、晃平も恐らくそうではないかと思いました。晃平を演じるうえで大事なことは「誠実さ」、もうそれしかしかないですね。
演じる温子と晃平への思いを語ってくれた橋本さんと瀬戸さん。インタビュー後半では、お互いの印象、生活を丁寧に描くことについて明かします。
