久部は、プロデューサーを見送ったはるおに声をかける。大きな仕事が決まったと言いながらも、表情が冴えないはるお。というのも、そのテレビ番組のレギュラー話は、コンビでの仕事ではなく、はるお個人へのオファーだったのだ。
しかも、その仕事を受けるならコンビは解散だという。
断ったほうが良かったかと悩むはるおに、久部は「自分の幸せを掴むのに何の遠慮がいる?」と、背中を押す。しかし、はるおが『冬物語』も降板することになると言うと、自分だけ幸せになれればいいのか、と態度を一変させた。
さらに、はるおがプロデューサーから前金150万円をもらったと聞き、再び話を受けるように背中を押す久部。二転三転する発言に、会話を聞いていたテンペストの店員・仮歯(ひょうろく)も、さすがに怪訝な表情に。
前金は、これまでお世話になったお礼としてフォルモンに渡したいと話すはるお。しかし久部は、顔を合わせないほうがいいだろうから自分が渡しておくと、大金を強引に預かり、案内所のおばばのところに保管する。
怒るフォルモン(西村瑞樹)をなだめる久部(菅田将暉)だが…
その頃、八分神社にはリカとトロの姿が。賽銭箱の前で熱いキスを交わす2人を目撃して思わず、物陰に隠れてしまう樹里。
そこに父・論平(坂東彌十郎)がやってくる。論平がリカにゾッコンであることを知る樹里は、父がその姿を見ないようにと、必死に追い払った。
はるおの話は、テンペストで久部たちの会話を聞いていた警官・大瀬六郎(戸塚純貴)によって、たちまちフォルモンたちに伝えられていた。そこへやってきた久部は、はるお本人が話をしに来ないことに怒るフォルモンを、劇場の屋上へと連れていく。
はるおに対し、水臭い、恩知らずだと悲しむフォルモンを見かねた久部は、はるおから感謝の気持ちを込めた金を預かっていると言い出す。しかし、久部が躊躇した末に挙げた金額は5万円。あまりの少なさにフォルモンは「馬鹿にするな!」と怒鳴るのだった。
