WS劇場には、かつて俳優座に所属していたというオーナー・ジェシー才賀(シルビア・グラブ)が、お祝いを持ってきていた。ステージのセットを眺めていたかと思うと、リカにマイケル・ジャクソンの『スリラー』を本番で踊るようにリクエストする。

蓬莱は久部へ、考えたラストに加えるセリフを披露。しかし、その提案がどうもピンとこない久部。さらに台本を離れて自分のネタを入れるつもりのうる爺(井上順)を見て、久部は蓬莱に翌日の公演は失敗するとこぼした。
役者は圧倒的に準備不足、照明のパーライトは用意できない。これでは天上天下の劇団員を見返せないと復讐心に燃える久部を、励ます蓬莱。

自分は久部の『夏の夜の夢』が好きだという蓬莱の言葉に背中を押され、久部は蓬莱、伴、トニー安藤(市原隼人)の3人と、劇団・天上天下が上演中の小劇場ジョン・ジョンへ。許可をもらっていると主張し、パーライトを1灯、無断で拝借してしまう。
ゲネプロがスタート!しかし、久部(菅田将暉)のもとに黒瀬(小澤雄太)らがやってきて…
夜を迎えたWS劇場には、衣装を身に着けたキャストが揃い、いよいよゲネプロがスタート。
気合いみなぎる久部だが、劇場ロビーには黒崎たちがパーライトを盗まれたと乗り込んで来ていた。ゲネプロの最中にも関わらず、久部は黒崎と激しい口論を始めてしまう。

自分の思いばかりをまくし立てる久部に、諦め顔になった黒崎はとうとうパーライトを譲ると発言。それでも止まらない口論。
黒崎は久部を追いかけて客席へ。演技を続けているWS劇場の面々に対し、天上天下への恨みしかない、自分のことしか考えていない久部に騙されるな、と大声で語りかける。
しかし、よほどのことがない限り止めるなという久部の指示を守って演じ続けるキャストたちは、見事な演技を披露。なかでも、リカ演じるヘレナのセリフには、自然と拍手まで沸き起こった。

客席をあとにした黒崎は、悔しいが面白かったと吐露。そこへトニーが現れ、天上天下で同じ役を演じている俳優に芝居について真剣な目で尋ねる。
WS劇場は確かに変わり始めていた。

舞台上では、久部演じるパックが、蓬莱の書いた最後のセリフを語っていた。「たかが舞台、されど舞台。この世に観客がいる限り、我らは演じ続けます。ノーシェイクスピア、ノーライフ」。
それを見た蓬莱の顔には、微笑みが浮かんでいた。