その夜、乾は水上から二階堂と何を話していたか尋ねられると、乾は「カボチャをここに運ぶ」とだけ言い、「誰にも言うなよ?」と口止めした。

乾は財務局の地下金庫で王冠を受け取り、公共交通機関を乗り継いで警視庁へ向かうよう、二階堂から指示を受ける。タクシーから降りた先でスーツ姿の男たちが現れ、行く手を阻まれる乾だったが、箱をラグビーボールのように抱え、巧みなステップで突破を試みた。

しかし、男の伸ばした手が引っかかり箱を落としてしまう。男たちは箱を拾い上げ中を確認するが──それは大きなカボチャだった。

ラマバティ(矢野聖人)の国外脱出計画を実行!乾(藤井流星)らが任務にあたるが…

警視庁では、二階堂と政務担当首相秘書官の前岸が王冠をもって待っていた。乾が襲われたということは、情報が漏れているのだ…。

明日のラマバティ出国を前に、スティンガースたちは手分けして東京土産を買うことに。皆が出かけたあと、1人戻ってスティンガースルームのテーブルや椅子を探り、王冠の箱に手を伸ばす水上に、乾は疑いの目を向けた。

警視庁の屋上で、乾と二階堂が話している。2人しか知らない計画がなぜ外部に漏れたのか…乾に誰か心当たりがあるかと尋ねる二階堂。「仲間を疑うぐらいなら、俺は騙されるほうを選ぶ」。そう言って乾はその場を去った。

ラマバティの国外脱出の日。スティンガースは楽団のメンバーに、乾はマネージャー兼、運転手に扮していた。

ラマバティはコントラバスのケースに隠れ、車で地方公演に向かうという設定で移動。まずダミーの移送車が警視庁を出発して羽田空港に向かう。その後、スティンガースがラマバティを乗せて時間差で出発し、米軍の横川基地を目指す。二階堂は先に基地で待つという。

移送作戦が始まった。ラマバティが入ったケースの鍵を水上に渡す二階堂。車は途中、休憩のためドライブインへ。皆が車を降りるなか、水上だけが残り、ケースの鍵を開けようとしたその時──乾が声をかける。

水上は事情を説明。王冠を運ぶ話は誰にも話していないこと、スティンガースルームで盗聴器を探していたこと。水上は外部の人間を疑っていた。

それを聞き、仲間を疑っていたことを反省する乾。刑事として怪しいなら疑うのは当然だと言う水上。「仲間を信じて突っ走る。正義の心も偽らない。乾さんのそういうところ、俺は尊敬してますよ」。水上の言葉を聞き、乾は晴れやかな気持ちで車を再び走らせた。