山村美智さんと一緒に、大切な人を亡くした悲しみとの折り合いの付け方を考えました。

女性が気になる話題について、スタジオで生討論を繰り広げるフジテレビ『ノンストップ!』の金曜恒例コーナー「ノンストップ!サミット」。

今回は、「大切な人を亡くしたあなたへ…心を救うヒント・グリーフケア」というテーマでMCの設楽統さんと三上真奈フジテレビアナウンサー、千秋さん、カンニング竹山さん、山村美智さん、『婦人公論』元編集長の三木哲男さんが話し合いました。

「夫との思い出の場所を訪れると涙が出ることもあるけれど…」山村美智が悲しみとの向き合い方を告白

スタジオには、書籍『もう会えない人を思う夜に』の著者で、関西学院大学「悲嘆と死別の研究センター」客員研究員の赤田ちづるさんが登場。赤田さんによると、大切な人を亡くした人が抱えるショック、喪失感、怒り、苛立ち、罪悪感や後悔などをまとめて「グリーフ(悲嘆)」という言葉で表現するそうで、「グリーフ」をやわらげる「グリーフケア」が注目されているといいます。

4年5ヵ月前に夫を亡くした山村さんは、「直後は悲しみの海の中にいたけれど、ようやく悲しみがポケットに入るくらいになった。それがふとした時に出てくることもあれば、自分で取り出して見てみることもある」と、時間の経過と自らの悲しみの感じ方について語りました。

「夫と散歩していた道が、夫の死後、夫がいないことを突きつけられるようで通ることができなくなった」という、60代女性の思いも紹介されました。

山村さんは「私もしばらくどこにも行けなかったけれど、友だちとたまたま訪れたのが夫と行った場所だったのを機に、自分から向かっていくことができるようになった。悲しみが弾けてしまうこともあるし、涙が出ることもあるけれど、でも行こう、と思えるようになるはず」と実感を。

三木さんも「思い出に踏み込めない人は多く、以前取材した女性が『夫が散らかしていたものを捨てたいと思っていたのに、夫が亡くなった後は夫の部屋に入れない』と言っていた」と事例を挙げると、山村さんも「クローゼットに入れなかった」と打ち明けました。

「いつもの光景にいるはずの人がいないことをつらく思うのは、ごく普通のこと」と女性の気持ちに寄り添った赤田さんは、「無理して道を通ることはないし、今は逃げてみることも大切」とアドバイスを送りました。

「ありがとう」と言えば良かった…後悔を感じてつらくなってしまったときの対処法

大切な人が亡くなる前にきちんと「ありがとう」と言えばよかった、もっと優しくしてあげればよかったなど、後悔を抱えている人も多いといいます。

山村さんは「闘病生活中、夫は苦しかったはずなのに私のために生きてくれた。苦しい思いをさせてしまったとずっと後悔している」と告白。

「今月母を亡くしたばかり」という三木さんは、「今年は毎月、母の顔を見に帰ろうと決めた矢先に亡くなって、親孝行できなかったという思いがある」と無念さをにじませました。

赤田さんは「後悔を感じるのはその人を大切に思っていた証。例えば『胃に優しい食事を作ってあげられた』『子どもを一緒に育てることができた』『2人が出会えたから幸せな時間があった』など、自分が相手にしてあげられたことを振り返って、自分を許してあげてほしい」と、心を少し軽くする方法を伝授。

千秋さんが「大切な人が亡くなった後、『あの人ならどう言うだろう?』と思った時に『絶対にこう言うに決まっている』と確信することができた。その人が私の中に入ったと感じて、悲しみから立ち直ることができた」と経験を語ると、赤田さんは「『父に謝ったらどんな言葉が返ってくるかな?』など、相手がどんな返事をくれるか考えるのもいいですね」と笑顔で語りました。