増え続ける特殊詐欺の被害。
警察庁が7月31日に発表した最新のデータによると、2025年6月までの半年間で「特殊詐欺」の被害額は597億円を超え、過去最悪となりました。

最近では、警察をかたって現金をだまし取る手口や、AI技術を使って知り合いや家族の声を生成し、本人になりすまして詐欺の電話をするという手口など、新たな手口も登場しています。

さらに、夏休み期間は在宅率が高い点を狙って、「訪問型詐欺」が増加する傾向にあるといいます。

▼自治体職員を装う「電気・水道などの偽点検訪問」
「市役所の委託業者です」と名刺を見せ点検を装って家に上がり込み、最終的には不当な修理費請求や金品を窃盗する

▼業者が突然来訪する「リフォーム詐欺」
「屋根がずれている、浮き上がっている」「無料点検をする」などといい、結局は工事が必要だと高額の修繕費用を請求する

『サン!シャイン』は、実際に訪問型の詐欺にあった被害者を取材。悪質な手口が見えてきました。

33万円の詐欺 被害に遭わないためには

訪問型詐欺で、33万円の被害に遭ったという80代の女性。

ある日、ガス機器メーカーを名乗る人物が「点検に来ました」と、突然訪問してきたといいます。点検後、漏水で修理が必要といわれ、女性は言われるがまま修理代の33万円を支払いました。(※通常修理費は3~5万円)

知人から、「高すぎるのでは?」と指摘され、別のガス機器メーカーに相談し詐欺が発覚。その後、消費生活センターに相談するも解決せず泣き寝入りとなってしまったといいます。

では、このような被害を防ぐためにはどうすればいいのでしょうか?
詐欺・悪徳商法に詳しいジャーナリストの多田文明氏によると、訪問販売でその場で契約や料金を支払うのはNGだといいます。
不安を煽るような、文言を多用する業者の場合は、「他の業者と比べてみるので」と、その場で契約しないことが大切です。

また、不安を感じた場合は会話の録音を申し出てください。
まっとうな業者であれば受け入れてくれますが、少しでも戸惑ったり断ってくる場合、詐欺師・悪徳業者の可能性が高いです。

武田鉄矢氏も被害告白 子供が“加害者”になる可能性も…

夏休みに詐欺被害が増加する理由として、多田氏は「在宅時間が長くなることで、詐欺に会う機会が増える」ことが挙げられるといいます。例えば…。

・電話対応する頻度が増加
・家を快適にしようと購買意欲が上がり、ネットでの買い物をする頻度が増える
・家に起こった不具合で、業者をネットで探す など

さらに、夏休みは子供たちが闇バイトに手を染めたりと、加害者になってしまうケースもあるといいます。

詐欺・悪徳商法に詳しい 多田文明氏:
どうしても暑いので家にいるんですね。そうすると、電話がかかってきたり、訪問を受けたり、あるいは家にずっといるとトイレが詰まったとか水が流れなくなったとか、不具合が起きて、ネットで調べたら悪質な業者を呼んでしまったとか、いろいろなケースがあるので、夏休みは特に気をつけてほしいです。
(闇バイトについて)もうすでに夏休みで高校生が詐欺の受け子で捕まって、「夏休みにまとまったお金が欲しかった」と供述しているということですので。狙ってきていますね、犯罪チームが。

鈴木おさむ氏:
申し訳ないけど、全てを疑ってかかるしかないですよね。残念ですけど。

スペシャルキャスター 武田鉄矢氏:
点検とか家のことについては、やはり顔なじみの業者さんを持っておくことが大事ですね。
私の家は一度だけ植木で引っかかったことがあって、威勢のいい大将が突然家に来て、「笑われてるよ」と。樹木がぼうぼうなので、ご近所の人が笑って通っているぞと。それで頼んじゃったんです…詐欺でしたね。22万円かな。結構昔のことだから、当時は大変な金額で、妻が「あらまぁ」といいながら、銀行に行ったのを覚えています。
それからはしっかり業者を決めました。

鈴木おさむ氏:
僕の知人の子供…子供と言ってももう大人なんですが、ロマンス詐欺に遭いまして、著名人と結婚するみたいな。
そんなアホなと思うんですが、1000人に1人でもピュアな人を狙うじゃないですか。僕も信じられなかったんですが、引っかかってお金を払ってしまったんです。
彼らからしたら、その1000人に1人を探せば…本当にピュアな人っているじゃないですか。

岩田明子氏:
私も来ました、ロマンス詐欺。返信していましたけど、やめろと言われました。ピュアだから…。

詐欺・悪徳商法に詳しい 多田文明氏:
接触回数が多ければ多いほど、信じてしまいのめり込むので、相当なメッセージややりとりをしているのだと思います。

夏休みを狙った詐欺被害に、十分にお気をつけください。

(『サン!シャイン』 2025年8月5日放送より)