「大往生だったね」と言われて傷つく人も…悲しみを抱えた人と接する際に大切にしたい“グリーフリテラシー”とは

「92歳で母が亡くなり、周囲から『大往生』と言われたが、自分はそうは思えない」という60代男性のエピソードでは、山村さんが「私の母も97歳で亡くなったが、何歳になっても母は私のママだし、私は娘」と共感。

山村さんが「周りの人は思いやるがゆえに言っているのだと思うので、聞かないようにしている」と続けると、三木さんも「何気なく言われる言葉だが、自分の中には大往生させてあげられなかったという思いがある」と本音を述べました。

赤田さんは、「大切な人を亡くしたばかりの人は、普段は気にならない言葉が気になるくらい心がデリケートになっているので、例えば『かわいそう』『早く元気を出して』『苦しまなくてよかった』という悪意のない言葉でも傷つけてしまう可能性がある。周囲が、遺族だけが言っていい言葉をきちんと理解する『グリーフリテラシー』を持つことが必要なのでは?」と訴えました。

“グリーフ”は言葉にするのが大切…同じ経験をした人と気持ちを共有することで前を向けることも

番組では、パートナーと死別した人が集まる「没イチ会」も取材。ここでは、1人で家にいるときの孤独感などを共有し合ったりするだけでなく、残された側の人生を2倍楽しむための情報交換も行われているといいます。

赤田さんは「グリーフを言葉にするのは大事なことなのだが、重いテーマなので友だちと気軽に話すことは難しい。そんな時に同じ体験をした人と共有するのは意味がある」と、「没イチ会」のような場を持つことの意義を解説。

山村さんは「『大丈夫?』と聞かれて『大丈夫』と答えるのがイヤで、TikTokでダンスをしたり絵画展をしたりしていたら、『大丈夫?』と聞かれることがなくなった」「愛犬を亡くした人に『この経験は愛犬からのプレゼントかもね』と言ったのだが、自分も夫がくれたこの時間をプレゼントだと感じて生きていかなければと思った」と、周囲の人や自分の内面との向き合い方を振り返りました。

千秋さんが「大切な人の死は人生で一番怖いことだったはずなのに、お腹は空くし、笑うこともできて、一番怖いことを乗り越えた自分は無敵だと思えた」と言うと、山村さんは「みんながみんな無敵にはなれないのでは?」と疑問を呈しましたが、竹山さんは「大切な人が亡くなっても、人生は続く。楽しんで生きようと思うのは間違いじゃないし、それが遺された人がやらなければいけないことなのでは?」と語りました。

『ノンストップ!』(フジテレビ)2025年5月23日放送より