えりなが、真平が朝食を準備するカフェ「ナガクラ」へ戻ってくる。

和平、万理子、千明が集う。さらにジャージ姿の典子もやってきて、千明が実家に送るための集合写真を撮影。

そこで典子が、何か説教することがあったはずだと記憶をたどり出す。順番に長倉家の面々を指さして、真平にロックオン。

いつもの陽気な調子とは打って変わって真剣な典子。子どもの頃からの主治医だった門脇医師の訃報を典子から明かされ、真平は言い逃れようとするが、彼女は弟をじっと見据えて逃がさない。

家族葬で済ませたといっても、お世話になった主治医。しかも真平宛の遺言もあるが、深刻な病気のため、ずっと死の恐怖と向き合ってきた真平だから、身近な医師の死を聞かなかったことにしたのだと看破する典子。

それでも「お悔やみの言葉を言うのは当然でしょう」と、𠮟りつける。

泣きそうな真平に、典子は畳みかけて、自分の気持ちなんて誰にも分からないと思ってるだろうと指摘して、「でも私たちはずっとずっと分かろうとしてる」「壁作ってるのは真平だよ!」と激怒。

家族に心配をかけないようにと1人苦悩を抱える真平(坂口憲二)を叱る和平(中井貴一)

痛いところを突かれた真平に、黙って聞いていた和平が典子の言う通りだと続ける。

「遠慮なく心配をかけあえるのが家族じゃないのか。心配をかけたくなかったって言われるのが俺、一番悲しいよ」

妻・知美もこのことを知らないと聞き、普段の温厚さが嘘のように和平は厳しい声で弟を𠮟る。

2人できちんとお悔やみを申し上げて、先生の遺言を聞いてこい。それが済むまで、絶対このうちには入るな。兄の言葉に、真平は子どものような表情で駆け出していった。

それを見送り、張りつめていた空気が和らいだ瞬間、えりなが65人もの団体予約が入っていることを思い出す。驚いた長倉家一同と千明は、準備に慌てふためくのだった。

鎌倉の病院の前で、知美と2人で門脇医師の妻に頭を下げる真平。

「生きないとな、ちゃんと!」と前向きな真平に、ようやくホッとした笑みを浮かべる知美が「長倉家の人たちに会いたくなった」とこぼす。

家に帰ろうと手を繋いだ瞬間、真平は団体予約が入っていたことを思い出す。そして駆け戻ったカフェ「ナガクラ」では、なんとか団体の接客を終えた、エプロン姿の和平たちがぐったりと疲れ果てていた⋯。

違う日の朝、千明は極楽寺駅に明るい表情で向かっていた。手には、彼女を取り巻くステキな人々と撮影した写真を同封した、母・吉野有里子への手紙。

「59歳で一人で生きている娘が心配なのは分かる。分かるし、私だって考えると不安なこと、いっぱいある。でもね、私、結構幸せだと思うんだ」

今の千明の素直な気持ちをつづった手紙をポストに入れて、足取り軽く改札へと向かうのだった。

<最新放送回は、TVerFODで無料配信中!>