次に久部が対峙した人物は、オーナーのジェシー才賀(シルビア・グラブ)だ。
WS劇場の事務室では、劇場を渋谷のニュースポットにすると大門が息巻く。その大門を即座に退出させた迫力十分のジェシーは、『夏の夜の夢』を上演する久部を、この5年でもかなり上演されている題目であると演劇通の一面を垣間見せた。
そして、“余程のこと”をやらなければ話題にもならないと忠告。久部も強気に抗弁するが、すべてを見透かすようなジェシーの言動に、動揺を隠すことができない。

劇団・天上天下に乗り込んだ久部(菅田将暉)そこでトニー(市原隼人)の才能が開花!?
ジャズ喫茶「テンペスト」に集まったリカ、トニー、モネ、はるおはセリフの自主練をしていた。そこに駆け込んできた久部は、トニーを連れ出す。
久部はトニーとともに、公演準備中の劇団「天上天下」に突撃し、チラシを配布。その暴挙を静観していた同劇団の主宰・黒崎(小澤雄太)だが、トニーを挑発し始める。

天上天下でトニーと同じ、ライサンダー役を演じる男と対決をするように仕向ける黒崎。セリフを高らかに口にした相手のライサンダー役に、踵を返したトニーはそれまでの吊り上げた眉毛を下げ、優しいまなざしに転じて、「心は一つ、ベッドも一つ、胸は二つでも、愛の誠は一つ」と演じて見せ、久部と天上天下の劇団員を圧倒した。
その夜、案内所のおばば(菊地凛子)のもとを訪れた久部は、相変わらずのアドバイスを乞う。「同じ道を進むな」と語り、「灰皿は灰を捨てるためにある!」と続けるおばば。彼女の言葉は、その日の久部には何より突き刺さるものだった。