災害への備えを楽しみながら学べる、最新のコンテンツを紹介しました。

女性が気になる話題について、スタジオで生討論を繰り広げるフジテレビ『ノンストップ!』の金曜恒例コーナー「ノンストップ!サミット」。

今回は、「事前の備えが大事!最新シミュレーション防災」というテーマで、MCの設楽統さんと杉原千尋フジテレビアナウンサー、カンニング竹山さん、千秋さん、鈴木あきえさん、『婦人公論』元編集長の三木哲男さんが話し合いました。

VRゴーグルを使って火災現場からの避難の難しさを擬似体験!

スタジオには、防災アドバイザーで危機管理教育研究所の国崎信江さんが登場。国崎さんによると最近は防災のイベントが多様化し、災害現場を疑似体験しながら災害時の行動についてシミュレーションできるなど、ユニークなコンテンツが増えているといいます。

まず紹介されたのは、VRやARで災害を擬似体験できるコンテンツ。ある小学校では、教室に立体迷路を設置し、VRゴーグルを付けた児童たちが火災から身を守る方法を学ぶイベントが開かれました。

VRゴーグルに映し出されるのは、煙や炎、割れたガラスなどの映像。体を低くして迷路を通り抜けながら火災の危険を体験した児童たちは、「進路を間違えて炎のある方向に進みそうになってしまった」などと感想を語りました。

他にも、ラーメン店にいる時に大地震による火災が発生したという状況をバーチャルで体験し、店員とともに非常口を目指すというコンテンツも。

千秋さんは「普段は想像しているだけだけど、実際に体験したほうが覚えられる」と興味を持った様子で、鈴木さんも「実際に起こったらパニックになるから、大人も体験したい」と共感していました。

ライフラインが途絶えたときの解決方法を学べるカードゲームも!

スタジオでは、『PREP(プレップ)』という防災カードゲームにも挑戦。災害時の在宅避難のときに起こりがちなシチュエーションが提示され、身近なアイテムが描かれたカードを使ってどうやって課題をクリアするかを議論していきます。

7枚配られた手札を早く使い切った人が勝ちというルールですが、課題の解決法には「正解」はナシ。ゲームを監修した国崎さんは「ライフラインが途絶えると絶望しそうになるが、身近にあるもので工夫すれば課題を乗り越えられるということに気付いてほしい」と、ゲームの趣旨を解説しました。

今回提示された課題は、「給水車が来たのに水を受けるものがない」というもの。出演者は、「段ボール」「リュック」「エコバッグ」「ゴミ袋」「ビニール袋」の5つのアイテムを組み合わせて、水を自宅まで運ぶ方法を考えていきます。

鈴木さんが「段ボールにゴミ袋を被せて運ぶ」と言うと、竹山さんは「エコバッグは?」と提案。すると、「エコバッグは水が漏れる」「中にビニール袋を入れたらどうか?」「ビニール袋は意外に水漏れする」など、多くの意見が飛び交いました。

国崎さんは「こうやっていろいろ考えて『なるほどな』を楽しむゲーム。正解はないが、私ならゴミ袋に水を入れて袋を2重にしてしばって、リュックで持ち運ぶ」と、コメントしました。

ほかにも、地震が起きるまでの約5分間に非常持ち出し袋に入れるアイテムを準備したり、室内の地震対策を行ったりして、それに対するフィードバックをもらえる人気ゲーム『フォートナイト』を使ったコンテンツや、メタバース上で震災で困っている人を助けていくという、「忘災」を防ぐために阪神・淡路大震災から30年を機に作られたコンテンツなども紹介されました。

実際に体を動かしながら災害時の知識を学べる「防災スポーツ」とは?

また阪神・淡路大震災で被災した経験から、楽しみながら防災意識を高めていく「防災スポーツ」を提唱している篠田大輔さんが小学校で行ったイベントも取材。

イベントでは、毛布を担架の代わりにして人形を運びタイムを競う「レスキュータイムアタック」や、運搬用一輪車で障害物を越えながら荷物を運ぶ「キャットサイクルレース」、水難事故を想定して的に向かって浮き輪を投げ入れて救助する「ウォーターレスキュー」などに、小学生が挑戦しました。

「毛布の端を丸めると担架の形状が安定する」「人を運ぶときは、頭を守るために足が進路の方向を向くように」など、ゲームを楽しみながら様々なことを学べる「防災スポーツ」。

篠田さんは「災害時の瞬時の動きや、行動力、判断力につながれば」という思いで競技を考案したそうで、鈴木さんは「自分の避難については考えていても、負傷者を助けるシミュレーションはしたことがないから、学びが大きそう」と取り組みを絶賛しました。

最後に国崎さんは、災害時の家族との連絡方法についてもアドバイス。「NTT災害用伝言ダイヤル」が有名ですが、通信状況の悪化によって災害時にはつながらないことも多く、通信状況が良くなってきたころには携帯電話の充電が切れてしまうこともあるといいます。

「自宅の扉に避難場所のメモを貼る」という方法もありますが、自宅に人がいないことを周知することになり空き巣につながるケースも。

地震や火災、水害などのケースごとの避難場所の確認はもちろんのこと、避難した場所を書いたメモをどういった場所に置いておくかなども、家族で事前に相談しておいてほしいと国崎さんは強く訴えました。

『ノンストップ!』(フジテレビ)2025年11月21日放送より