物忘れと認知症の違い、初期の認知症やその予備群である軽度認知障害からの悪化を防ぐためのポイントを専門家が紹介しました。
女性が気になる話題について、スタジオで生討論を繰り広げるフジテレビ『ノンストップ!』の金曜恒例コーナー「ノンストップ!サミット」。
今回は、「早期発見で悪化を防ぐ!認知症」というテーマで、MCの設楽統さんと三上真奈フジテレビアナウンサー、カンニング竹山さん、キャシー中島さん、磯野貴理子さん、『婦人公論』元編集長の三木哲男さんが話し合いました。
「人の名前が出てこない」のは年齢のせい?それとも「認知症」の始まり?
まずは磯野さんが、「共演者のグループ名が出てこなかった」と、最近「認知症かも?」と不安になったエピソードを披露。
キャシーさんも「食器を片付けようとして、食器棚の隣の冷蔵庫の扉を開けた」と続け、竹山さんも「人の名前や駐車場の場所がわからない」と明かしました。
そんな訴えを聞いた認知症専門医の新井平伊先生は「そのくらいのエピソードなら安心」と笑顔を見せつつ、「今、『軽度認知障害』と診断される人が増えているが、『軽度〜』の段階なら対策ができる。『早期発見・早期治療』が必要だと言われてきた認知症が、『早期予見・早期予防』という考え方に変わっている」と解説しました。
新井先生は「物忘れ」と「認知症」の違いも紹介。「別の用事を済ませたらやるべきことを忘れた」「人の名前が出てこない」などは、基本的には「物忘れ」に分類されるといいます。
「朝食を食べたことは覚えているが、何を食べたか思い出せない」というように、「経験したことが部分的に思い出せない」のが加齢による「物忘れ」。忙しさなどに紛れて何かを忘れても、ヒントがあれば思い出せるなら深刻な「認知症」ではないと判断していいそうです。
一方、「ヒントを与えられても、朝食を食べたことを思い出せない」など、「経験したこと全体を忘れてしまう」のが「認知症」なのだといいます。
注意すべきなのは、「物忘れ」と「認知症」の間にある「軽度認知障害」の段階。アルツハイマー型認知症の場合、認知症になる20年前から脳に「ゴミ」のようなものが溜まっていくのだといいます。
新井先生は「これまで排出されていた、脳内で作られるタンパク質の一種、アミロイドβが、血流に流れないようになり、その物質が、脳の神経細胞にダメージを与えることがある」と説明し、「ゴミ」が溜まりすぎる前に予防することの大切さを指摘しました。
「1人で買い物に行けますか?」認知症かどうかチェックできるチェックリストを紹介
番組では、東京・港区で行われた脳の健康を測定するイベントを取材。ここでは簡単なクイズに答えるだけで、脳の衰えを簡易的に測定することができるのですが、「3つの単語を覚えて、別の課題をやった後に、その単語を思い出せるか測定するのは、『遅延再生』と呼ばれる、覚えたことを一定時間後に思い出す能力を試すもので、感度の高い検査」と新井先生。
スタジオの出演者は、東京都の「とうきょう認知症ナビ」が公開している「自分でできる認知症の気づきチェックリスト」にも挑戦しました。
このチェックリストでは、「財布や鍵など、物を置いた場所がわからなくなることがありますか?」「言おうとしている言葉がすぐに出てこないことがありますか?」「1人で買い物に行けますか?」などの10の質問に回答。「問題なくできる(1点)」「だいたいできる(2点)」「あまりできない(3点)」「できない(4点)」の合計点を計算していきます。
合計が20点以上の場合は医療機関への相談が推奨されるそうですが、新井先生は「正常でも10点になるチェックリストなので、20点に近いからと焦る必要はない」とアドバイス。
例えば1人で買い物に行けないと答えた人でも「1人では寂しいなどの理由がある場合と、行った先で買うものを忘れてしまう場合では状況が違う。むしろ、以前と比べたときの変化に気付いたら要注意なので、専門家に相談してほしい」と、新井先生は訴えました。
医療機関に相談に行く場合は、「認知症専門医」や「物忘れ外来」、「認知症疾患医療センター」など、物忘れの専門医を探すのがオススメ。
「物忘れ外来」を受診したことがあるという三木さんは、「部下に『あの件』と言われたのに『あの件』が思い出せず、心配になって受診した。MRIやテストを受けて、結果が出るまではドキドキだった」と感想を語りました。
