この季節に気をつけたい足のむくみの原因や予防方法について、専門家が解説しました。

女性が気になる話題について、スタジオで生討論を繰り広げるフジテレビ『ノンストップ!』の金曜恒例コーナー「ノンストップ!サミット」。

今回は、「放っておくと怖いむくみ」というテーマで、MCの設楽統さんと三上真奈フジテレビアナウンサー、千秋さん、カンニング竹山さん、虻川美穂子さん、『婦人公論』元編集長の三木哲男さんが話し合いました。

80代女性の8割が悩んでいるむくみは、更年期&老年期から注意を!

スタジオには、東京血管外科クリニック心臓血管外科医の榊原直樹先生が登場。榊原先生によると、夏から秋に向かうこの季節にはむくみを訴える患者が増えるそうで、その一番の要因は寒暖差にあるといいます。

女性の8割が普段からむくみを感じているというアンケート結果も紹介され、虻川さんは「学生時代から足のむくみに悩んでいて、夜は足を壁に直角に沿わせて高くしないと眠れない」とつらさを語りました。

まず榊原先生は、足がむくむ原因を解説。足の先から心臓に向かって静脈が流れていますが、流れが悪くなると静脈に血液が溜まってしまいます。その状態が続いて血管が耐えきれなくなると、血管の壁から水分だけが足の皮下脂肪に流れていき、それがむくみになるのです。

皮下脂肪が少ない人はむくみにくいのですが、血管中の水分の逃げ場がない分、足のだるさを感じやすくなると榊原先生は説明しました。

足がむくみやすいのは、心臓から一番遠く心臓より下にあるから。寝起きにまぶたがむくんでしまうのは、足に溜まっていた血液が寝ている間に上半身にも流れていくからなのだそうです。

むくみのリスクが特に高まるのは、更年期〜老年期。生活習慣の乱れやストレスなどで水分バランスが崩れやすくなる上に、更年期にはホルモンバランスが乱れること、老年期には運動不足になることなどが原因でむくみのリスクが増えていき、80代では8割がむくみを抱えてるといいます。

虻川さんは「ずっとむくみに悩んできたから、年齢を重ねたからといって変化は感じないが、これからもっとひどくなるのは困る」と、頭を抱えました。

むくみが「心不全」「腎臓病」「肝臓病」につながるケースも…不安を感じたら放置せずに病院へ

榊原先生は、むくみのセルフチェックの方法も紹介しました。くるぶしの10cmほど上に親指を5秒押し当てて、指の跡が残ったらむくんでいる証拠。指の跡が1分以上経っても消えない場合は、病院に行ってほしいと訴えました。

血流が悪くなると、むくみ以外にかゆみやほてりを感じることもありますが、「心不全」「腎臓病」「肝臓病」などの病気がそういった症状を引き起こしていることもあるのだそうです。

心不全の場合、心臓のポンプ機能の低下がむくみの原因に。腎臓病の場合は、腎機能が落ちて尿が作られずに水が体に溜まった結果、むくみにつながっているといいます。

また、肝臓の機能が低下するとタンパク質量が経って、血管から水が漏れていく状態に。原因が腎臓にある場合は顔や手にむくみが出やすく、肝臓に原因がある場合は腹水が溜まることが多いと榊原先生は特徴を指摘しつつ、心配な場合は病院に行くようにと忠告しました。

「病院に行けば、血液検査で病気かどうかわかるし、生活習慣が原因の場合も多い。生活習慣が原因の場合は、医師が細かく話を聞いて改善するよう指導できる」と、榊原先生は補足。

千秋さんの「夕方になるとむくみが出るのは普通のこと?」という質問に、「夕方は誰でもむくむので、翌朝治っていれば問題ない」と答えた榊原先生は、「毎日の塩分摂取や飲酒など、基本的な生活習慣がむくみにつながる」と日々気をつけたいポイントも挙げていました。

日中は靴下や着圧サポーターの使用がオススメ!むくみを予防する簡単な体操も!

榊原先生によると、秋から冬の寒い時期に自宅で素足で過ごすのはNG行動。足が冷えると血管が収縮し、血液が滞留してむくみにつながってしまうので、靴下やサポーターなどで足を温めると同時に、むくみが広がらないようにサポートすることが大切なのだそうです。

虻川さんが「隙あらばテニスボールなどでマッサージしている」と言うと、榊原先生は「足を椅子に上げるなど、心臓に近い位置でキープするように心がけて」とアドバイスしました。

番組では、土踏まずから筋肉に沿って血行を促してくれる「うずまいて血行を促すソックス」や「ふくらはぎ押し上げサポーター」、着脱しやすいレッグウォーマーなどの人気商品も取材しましたが、「『寝る時用』と明記してあるもの以外は、基本的に起きてからお風呂に入るまで着用。寝るときには履かない方が良い」と榊原先生。

続けて「『寝る時用』のものでないと、血管を圧迫して血流が戻るのを邪魔してしまう」と説明しました。

むくみを防ぐには、「38℃のお湯に10〜15分肩まで浸かる」「塩分を摂りすぎない」ことを心がけると良いのだそうですが、竹山さんは「どっちも難しいなぁ」と苦笑。

72%以上の高カカオのチョコレートや、大豆イソフラボンが含まれる大豆製品、アントシアニンが含まれるブルーベリーなども効果的だそうで、「高ポリフェノールは抗酸化作用があるので、血管を拡張して血流がよくなり、むくみを取ってくれる。カカオポリフェノールはすぐに分解されるので、1日5回くらいに分けて摂取すると良い」と、榊原先生は薦めました。

また、榊原先生はむくみを予防する「かかと体操」も紹介。背筋を真っ直ぐ伸ばして椅子に座り、足の力を緩めた状態で「かかとを上げる→下げてから3秒待つ」という動作を1時間ごとに3分ずつ繰り返すと良いそうです。

竹山さんが「この体操を習慣にしたらいい。電車の中でもできる」と体操の簡単さに驚くと、千秋さんも「飛行機の中でやりたい」と笑顔で同意しました。

『ノンストップ!』(フジテレビ)2025年10月24日放送より