俵万智さんとSNS時代の言葉の選び方について、考えました。
女性が気になる話題について、スタジオで生討論を繰り広げるフジテレビ『ノンストップ!』の金曜恒例コーナー「ノンストップ!サミット」。
今回は、歌人の俵万智さんがスタジオに生出演し、「令和の“言葉選び”」というテーマでMCの設楽統さんと三上真奈フジテレビアナウンサー、千秋さん、カンニング竹山さん、安田美沙子さん、『婦人公論』元編集長の三木哲男さんと討論しました。
「言葉足らず」で相手に誤解を与えないための有効な手段は?
「言葉の力は生きる力と直結する」「人と人とをつなげるステキな力を持つ言葉を、いい方向に使っていきたい」と考えて執筆したという書籍『生きる言葉』が話題の俵さん。
俵さんはまず、SNSを介した“知らない人”や“顔の見えない相手”とのやり取りで使われる言葉の危険性を指摘。三木さんは「一人ひとりが初めて“メディア”になった時代。多数の人に発信する快感がある一方、ルールができていないので発信側が振り回されることも多い」と分析しました。
俵さんは、文字によるコミュニケーションでは「言葉足らずが原因で上手く伝わらないことが多い」と紹介。例えば、イベントを開催している友人に「まだやってるんだ」と送ったメッセージが、「まだやっているんだ!それなら行きたい」という意図のつもりが、「え、まだ開催しているの?」と嫌味のように受け取られる可能性もあると示唆。

ちなみに、そういうときには、「『まだイベントやってるんだ。楽しみ』というように、気持ちの方向性を示すひと言を付け加える」のがポイントだと俵さんは教えました。ほかにも「待ち合わせの時間の確認のため『いつ(頃)来る?』と送ったら、『遅刻するな』という意味に取られてしまった」など、意図が間違って伝わってしまうケースも紹介されました。

竹山さんは「文章が長くなりすぎると品格がないような、オシャレじゃないような気がするけれど、言葉が足りないと誤解されるからSNS時代は生きづらい」とため息をつき、千秋さんも「余計な説明をつけすぎて“細かい人”と思われてしまう」と同意。
俵さんは「大前提として、待ち合わせ中に連絡が取れる便利なツールができたことのありがたみを感じつつ、言葉のすれ違いを防ぐための“ちょい足し”を大事にして欲しい」と訴えました。
「今日の夕飯は大丈夫」というメッセージは「食べる」「食べない」どっちの意味?
「子どもが『夕飯いるの?』という質問に『大丈夫』と返信してくる。食べるのか食べないのか、ハッキリしてほしい」という、49歳女性のお悩みも紹介されました。

三上アナが「『大丈夫』は『否定』だと捉えてしまう」と言うと、俵さんは「日本人は曖昧な方がいいという感覚なので、『いらない』とハッキリ否定するのではなく『大丈夫』と言い換えてしまう」と子ども側の心情を推測。
そんな中、安田さんは「私は京都人なので。『大丈夫』と言いつつ相手がどう思っているか、その気持ちを察してほしい」と笑顔で語りました。