日本を代表するコメディ映画の監督としての地位を確立した福田監督ですが、キャスティングする俳優にはあるこだわりを持っているそう。
福田雄一 オーディションは「偉そうだからしたことがない」
「最終的に面白いか面白くないかは別として、『僕、面白いことができるんですよ』や『私、変顔ができるんです』という俳優はちょっと難しいなという感触があります」と吐露。
その理由として、「僕のコメディのベースにはくだらないことを一生懸命に言ってほしいというものがある。『面白いことができるから(自分を)使ってください』と言われたところで、うちは面白いことをやってもらう現場じゃない」とこだわりを説明しました。
そこで、人気コミックを実写化した『HK 変態仮面』(2013年)の主演に鈴木亮平さんを起用した際のエピソードを回想。
鈴木さんから「コメディはできない」と告げられたときに、「それが正解。変態が面白かったら、お笑い業界でいうところの『ボケの上塗り』になってしまい、それは一番やっちゃいけないことだから」と返答。
「決めゼリフを真剣な顔で口にし、(作品を)観ている人にツッコんでもらうのが僕にとって一番嬉しいこと」と監督としての意図を明かしました。
また、人気俳優がほかの作品では見せないようなコミカルな表情を福田作品で披露していることから、「変顔ができるとアピールしてくる人もいるけど、それは違う。僕が“THE 漫画”という演出をするのが好きだから、皆やってくれるだけ。変顔じゃなくて演技」と違いを紹介。
さらに「変顔というワードにすごく嫌悪感がある。“こんな顔”というのが、ちゃんと僕の漫画的演出にハマっていないとダメ」と力説しました。
アン ミカさんが「オーディションでそこ(漫画的演出)に寄せてきた人はイヤ?」と尋ねると、「オーディションはしたことがない。偉そうだし、怖くてできない」と予想外の答えが。
