――初共演となる杢代和人さんの印象を聞かせてください。
ポスター撮影でもそうでしたが、自分の役割をその場ですぐに理解して、とても反応がいい方だなと思いました。素直でまっすぐな感じです。彼が演じる大学生の神代大輝は、闇バイトに手を出してしまい凶悪な組織犯罪グループに追われるというちょっと重い設定があるので、どんなふうに演じるのか楽しみです。
まだ緊張しているところもあるようですけど、一生懸命さが伝わってきます。これからいろいろな面を見せてくれるといいですね。私としては、言葉ではなくてチーム全体の雰囲気や現場での振る舞いなどで、彼が演技しやすい環境を作れたらと思っています。
宮崎美子「こういうところがあったらいいな」と思っていただけるような優しいドラマ
――第1話と第2話のゲストには、片岡鶴太郎さん、清水美砂さん、多岐川裕美さん、藤田弓子さん、柄本明さん、かとうかず子さんなど豪華キャストが出演されます。
鶴太郎さんは、映画『釣りバカ日誌17 あとは能登なれハマとなれ!』で夫婦役だったので、「あの時以来ですね」なんていう話をしました。

清水さんは先日、熊本・人吉を舞台にした映画『囁きの河』でご一緒して。今作ではこれまで演じられたことがない役柄で、ロリータファッションを着ていらしたので、不思議な感覚でした。
かとうさんとはお久しぶりで、私が45年前にポーラテレビ小説『元気です!』で俳優デビューをしたとき、1つ前の作品『マリーの桜』で主演されていたかとうさんからバトンを受け取ったんです。「あの時からよね~」なんて話をして。
柄本さんとは、映画『悪人』で夫婦役でした。待ち時間に皆さんとそれぞれの思い出話をしていると、とても幸せな役回りだなと思い、そこは楽しんでいます。

――最後に、見どころと視聴者へのメッセージをお願いします。
介護スナックなので、比較的年齢の高い登場人物が集まる場ですけれど、介護をするご家族は若い世代だし、必ず自分も年を取っていくという意味では、どなたにも共感していただけるところがあると思います。
自分がどんな状態になっても楽しめる場所、人生は最期まで楽しいと思える場所――ベルサイユはそういう場所の1つだし、現実でも介護スナックが増えていくといいなと思います。
重たいテーマを扱いながら、でも「こういうところがあったらいいな」と思っていただけるような、ふんわりとした優しいドラマです。そして、ご覧になったあとに、ぐっすり眠っていただけるといいなと思っています。どうぞよろしくお願いします。

撮影:今井裕治
衣装:Merci DIEU par Satomi