宮崎美子さん主演、土ドラ『介護スナックベルサイユ』は、魔法のワインを飲むと会いたい人に会えるという不思議なスナックを舞台に展開するヒューマン・ファンタジー。
<試写室>『介護スナックベルサイユ』第9話
いやー、この『介護スナックベルサイユ』ってば、前回散々語ったけど、遊び過ぎだよね?
“介護スナック”という舞台で、あの世へ旅立つ直前のお客さま限定で、飲めば会いたい人に会える“魔法のワイン”を用い、そこで繰り広げる悲喜こもごも…っていう、とんでもオリジナリティかつ屈強な設定を持っていながら、初恋のあの人とか、生き別れの親とか、別れた女房とか、そういう、THEオーソドックスはまったくなく、いや別れた女房ってのもあったはあったけど、会った瞬間、秒で消えるとか(それも萬田久子さんを呼んでおいて!!!)、生き別れ的なのでいえば、赤ちゃんのときに取り違えられたあの会いたい!!とかいう、とにかく正統派はまったくといっていいほどない。毎回怒涛の亜流の連打。
で、その亜流の極めつきが、前回の第8話、最初のエピソードですよ。自分が降板したあとに担当した新ラジオパーソナリティの女性(江口愛)に会いたいってのが、まさかのAI。うん、そう!江口“愛”だから“AI”という超ウルトラ!!!
このシーン、「次のパーソナリティは、この方になります」って紹介された、そのチラシの人物が実にAIみがあって、ああもう東海テレビのドラマ部も、ここまで来たのか!登場もしないどうでもいいキャラクターはAIで作っちまえっていう、そういう時代になっちまったか!経費削減か!って、画面にツッコんで悪態ついてた次の瞬間(視聴態度悪すぎ)、マジのAI出てきて、旧おじいちゃんラジオパーソナリティ(綾田俊樹)と舌戦を繰り広げるという、今作における本流とは一体なんなのか?と迷子になるほどの、亜流の向こう側エピソード。
清水(有生)先生!!(今作の脚本家の先生)あなたは、スピルバーグか!!!…いや、だけど、スピルバーグはハリウッドの本流だ…いや、スピルバーグ的発想を、こんなひっそりとした土曜の深夜帯ドラマで、『介護スナックベルサイユ』というタイトルのもとで敢行してしまう…そのことが、そのことこそが、亜流なんだよ!!!(?)
