宮崎美子さん主演、土ドラ『介護スナックベルサイユ』は、魔法のワインを飲むと会いたい人に会えるという不思議なスナックを舞台に展開するヒューマン・ファンタジー。

<試写室>『介護スナックベルサイユ』第4話

最近のドラマは、やれあれが伏線!だの、やれあれがあやしい!つながってる!!だの、よく「考察」をされていますが、僕、考えながらドラマを見るのがめんどくさいタイプなので、「考察」好きじゃないんですよね(知らんがな)。ドラマはね、ドント・シンク・フィール!!なんですよ!!(うるせーよ)

っと、そんなこんなの「考察」嫌いの僕なわけですが、最新作・過去作・海外・地上波・配信・サブスク…と数多のドラマが乱立し、多少なりともどの作品にも「考察」視聴者がついているであろう令和の現ドラマ界隈において、おそらく、誰も「考察」していない(はずの)、孤高のドラマ『介護スナックベルサイユ』(なぜ孤高…そして失礼!)を、あえて、あえて、僕が真剣に「考察」してみようと思います。

テーマは当然!!「謎のワイン、『SEE YOU IN MY DREAMS』の効果は夢か現実か!?」

ひとまず、特別編と称したスペシャルドラマ時代から、前回の第3話まで、訪れたお客さまとその効果を振り返ってみましょう。

①定年を迎えた教員(特別編・前編)

真面目だった女生徒が万引き後に交通事故で亡くなった…その真相を知るため、彼女に会いたい!
→亡くなっているはずなのに会えるどころか、ことの“真相”まで聞くことができた。どうやらワインを飲んだあとの世界は、夢…ということではなさそう?

②頑固な料理人(特別編・前編)

自らの浮気で別れたあと、病死してしまった元妻に会いたい!
→その元妻に萬田久子さんをキャスティングしといて「女心は全国共通」と言い放って、秒で消える。つまり、お客さまの願望や熱意によって、すべてが具現化するわけでもなさそう。

③余命2ヵ月のダンサー(特別編・後編)

50年前、置き手紙を残して消えた元カレに会いたい!
→おそらく亡くなってはいないはずなのに、その姿は50年前の“カレ”。で、ダンスまで踊ることが可能。目の前に現れるのは、自らが知る造形のみ?物理的な接触も可能?

④“老人ギライ”の原因となった祖母(特別編・後編)

特別編でキーマンとなっていた女性の祖母が現れ、和解するため孫に会いたい!
→まさか本人が目の前にいるというのに、現れたのは少女時代の孫。とはいえ、話せば本人っぽいので、やっぱりあながち全部が夢というわけでもなさそう。

⑤一生脇役だった大衆演劇俳優(第1話)

あの世へ行ったら先代に報告したいので、当代に会いたい!
→今回現れたのは、当人の知る過去の姿ではなく、今の姿…。しかも、当代と一緒に演劇までしちゃう。でもって、その様子はスナックのお客さまも鑑賞可(しかし“その相手”は見えていない様子)。

⑥大金持ちの服飾デザイナー(第1話)

出生時に取り違えられた“本当の私”に会いたい!
→今度は、会ったこともない、かつ“現在の姿”の女性。お互いがアルバムを見せ合って思い出まで語り合う。つまり、ワインを飲めば、そのお姿だけでなく“小道具”まで見ることが可能。

⑦過去に大きな失敗をした土木会社社長(第2話)

かつて自殺しようとした際、ちょうどかかってきた“電話相手”に会いたい!
→血縁や強いつながりがないはずの“電話相手”にも会える。そして、その姿はというと、“現在の姿”…。なお、その女性はかつてママ(宮崎美子)と接触あり!?

⑧やり手の元新聞記者(第2話)

異国の地で亡くなった戦場カメラマンの夫に会いたい!
→今回は亡くなった人物なので、その当時の姿で登場。そしてまさか、その夫に遺影を撮ってもらう(しかも現物あり)という衝撃。

⑨校則&信仰を重んじる教師(第3話)

推しのアイドルに会いたい!けど、信仰の関係でお酒が飲めない。ノンアル版「SEE YOU IN MY DREAMS」登場!!
→効果なし。

⑩レジェンド棋士(第3話)

かつて対局し負けたライバル棋士にリベンジしたい!
→亡くなった当時の姿で登場。これまでの会話、ダンス、演技、写真を撮るといった単純動作だけでなく、まさか将棋もうてる。

【効果のまとめ】
・あたりさわりのない本人の知りうる情報ではなく、ことの真相まで知ることができる
・亡くなった人にも会える
・知らない人でも会える
・その相手のお姿は、当時のままもあるし、現在の場合もある
・ダンスも踊れるし、共演もできるし、写真も撮れるし、将棋までうてる
・しかも、その様子を周りは鑑賞可能(ただし相手は見えていなさそう)
・ノンアルだと効果なし

はい。ここまで、自分でもびっくりするくらい、過去のエピソードを。真面目にひも解いてみたつもりですが、どうでしょう!?

……う…うん…なんも…なんも、わからない!!!(結局)

だってだって、“会える人”ってのは誰でもよくって、亡くなった人は当然会えるし、自分が認識している人でなくてもよいし、知らなかった“真実”まで知れるし、その人への思い入れに何ら影響も及ぼさないし、やたら情感たっぷりの会話をしたかと思えば、秒で消えたりもして、会うことによって“しこり”がとれるってわけでもなさそうだし、当時の姿のときもあれば、知るはずのない今の姿のときもあって臨機応変だし、一緒に演技やアルバムめくって思い出話…までは無理矢理かみ砕いて解釈するとして、写真まで撮れてその現物まで残る…とか、理屈がわからなすぎる!!

でも、だけどだけど、きっと何か、何かの共通点があるはず。そう、そうだ。そうだわ。ママに、誰に会いたいか?をまずもって説明することで、ママがその情報をもとに何かしらによって「召喚」するんだわ。

その“何かしら”が重要っちゃ重要だけど、そうはいってられない。気づいたぜ☆…ママ…その仕組み、見破ったり!!と、自信満々に見返してみたら、早々に事前説明なしの場合もあるし…で…もう…何もかも、何もかも理屈がわからなすぎる!!!

いや、だけど、ここまでの情報で、確実にいえる確かなこと…あったわ。そう、そうだよそう。

“ノンアル”は効果なし!!!

うん、それだけ!!!

ああ、むなしや「考察」…。