ナレーション収録を終えた宮﨑さんにインタビュー。映像を見ての感想や、「この番組の大ファン」という宮﨑さんが思う本番組への印象、約21年間務めてきた“語り”について聞きました。

宮﨑あおい「どの時代の『ザ・ノンフィクション』も面白い」

――大不況の現実を映し出した「借金地獄物語」、どのような感想を抱きましたか?

2021年4月の『ザ・ノンフィクション「放送1000回SP」』で映像を見て、あれからずっと気になっていたので、ようやく見られたという思いです。放送当時の私はまだ子どもだったので、こんな世界があるとは知りませんでしたが、改めて、厳しい時代だったのだなと思いました。若い方々が見たら、より衝撃を受けるかもしれません。

番組のナレーションの感じも、今とは世界観がまた違って独特でカッコいいです。

――不動産業者の上打田内さんは、今も昔もバイタリティにあふれています。

今も志がブレることなく、変わらずにいらっしゃるのだなと思いました。

――借金返済のために風俗店で働く若い女性も登場します。

大変なお仕事だと思いますし、同じ女性として、いろいろなことを考えました。女性が話していた「宝くじで当てたお金と、自分で汗水垂らして稼いだお金は、重みが違う」という言葉が印象的です。

映像には、女性たちがお店でお客さんを待っている間の様子や、その雰囲気も映っていました。

私は以前、『怒り』(2016年)という映画に出演するにあたり、撮影前にそのようなお店を見学させていただいたことがあって。女の子たちはお客さんが来るまでどんな場所で何をして待っているのか、どのようなお仕事をしているのか、という話を聞きました。

今回この映像を見て、あの時あの場所にもっと長い時間居させてもらえたら、彼女たちが仕事に行くとき、戻ってきたとき、どんな表情をしているのかなど、もっと役に反映させて深められたかもしれないと思いました。

――この放送回は、番組歴代最高の世帯視聴率を記録しています。

自分が知らない世界を見ることができるのが、『ザ・ノンフィクション』のいいところだと思います。「借金地獄物語」には特にそれがギュッと詰まっていて、時代にぴったりマッチしたということなのかなと思います。

――30周年を迎えた『ザ・ノンフィクション』、改めてどんな番組だと感じていますか? 

この番組の大ファンなので、自分がこうして携わらせていただけるのは本当にありがたいです。

自分がナレーションを読んだから覚えているのか、いち視聴者として見ていたから記憶に残っているのか、もうその辺もあやふやですが、やはりどの時代の『ザ・ノンフィクション』も面白いですし、その時しか撮れない映像がずっと残っている、貴重な番組だなと思います。

――宮﨑さんは 2004年、18歳の頃から“語り”を務めています。読み方に変化は感じますか? 

変わったと思います。最初に読ませていただいたのは「ピュアにダンス〜僕たちのステージ〜」(2004年9月)でした。子どもたちの物語だったので、18歳だった私も受け入れてもらえたのだと思っています。

当時、“語り”にどう向き合っていたのか、はっきり思い出せないところもありますが、今、映像の邪魔をせず客観的に読みたいという気持ちは持っています。

予告動画&無料配信

YouTube「フジテレビドキュメンタリー」で、『ザ・ノンフィクション』の予告を配信中。10月5日(日)14時~「30周年特別企画 歴代最高視聴率『借金地獄物語』」予告。

9月14日・21日放送「ギャンブルをやめたくて〜また 家族と暮らしたい〜前・後編」(語り:中島美嘉さん)が、10月5日までTVerFODで無料配信されます。

【前編】中島美嘉「気づいていないだけで、身近に同じような人がいるかも」ギャンブル依存の克服を目指す人々に思いを寄せる
【後編】中島美嘉“負の感情を忘れる&気にしない”はできない「歌にすることで消化しているかも。ライブで使えれば良し」