7月1日、関東では大気が不安定な状態となり、各地でゲリラ雷雨が発生。
気象庁は茨城県や埼玉県、群馬県などに「記録的短時間大雨情報」を相次いで発表しました。

一方で、熱中症警戒アラートが愛知県や福岡県など20の県に発表されるなど、全国各地で危険な暑さに…。

そんな中、『サン!シャイン』は、“ある異変”が起きているという場所を取材しました。
訪れたのは、富士五湖のひとつ河口湖。

通常は、湖の沖合にありボートでしか行くことのできない浮島「六角堂」の地面があらわに…。雨不足の影響で、湖の水位が大幅に下がり、底がむき出しの状態になっていました。

土が乾き、地割れのようなひびが入っている

取材スタッフ:
水分がなくて地割れのような、土が割れてしまっていますね。

河口湖のレンタルボート店では、観光客に人気のスワンボートが水位の低下により、全てを桟橋につけることができず、8台のうち5台しか稼働できていないといいます。

河口湖ボートハウス 大町悦章代表:
夏休みがね…、今月末ぐらいからお子さん連れとかいらっしゃると、5台体制だとちょっと…。こっちの方言で言うと「どうずらな(どうすればいいのかな)」っていう話ですね。

春頃から始まっていたという、河口湖の渇水。この“異常事態”に専門家は…。

山梨県富士山科学研究所 山本真也主任研究員:
河口湖は毎年季節によって水位が変わるんですけど。(通常)梅雨から秋口にかけて高くて、春先になると低くなるのですが、今年は春先に低下した後、まとまった雨が降ってなかったので春先の低い水位が続いているような状況になっています。
10年ぶりぐらいの、異例なことだと思います。

2025年は西日本各地で観測史上最も早い梅雨明けが発表され、関東でも梅雨入りしてからの降水量がほとんどの地域で平年の半分未満。河口湖周辺も6月の降水量は82.5mmと、2024年の3分の1も降りませんでした。

河口湖の地面に大量に散らばる貝殻

7月1日には、山梨県に「記録的短時間大雨情報」が発表されたものの、110mmの猛烈な雨が降った山中湖に対し、河口湖周辺では2.5mmしか降らず、一夜明けた2日も変わらず湖面の一部はむき出しのままです。

本来水の下の地面がむき出しに

酒主義久アナウンサー:
例年この時期に10年近く遊びに来ているという方は、六角堂にすぐに遊びに行けるのはうれしいが、やはり水不足が心配ということでした。近所の人も、この先雨が降るかどうか、心配な日が続きそうです。

今後“水不足”の可能性も?今からできる節水アクション

6月10日から7月1日までの梅雨の降水量を見てみると、平年と比べて、埼玉44%、宇都宮45%と半分を切っており、さらに、東京(25%)や横浜(24%)、千葉(24%)は20%台と、かなり低い数値となっています。

これは、今年の雨が、広い範囲でまんべんなく降るという梅雨本来の降り方ではなく、ゲリラ豪雨のような形で局地的な降り方をしているため、結果的に降水量が少なくなっているのです。

今後、水不足に陥る可能性はあるのでしょうか?
武蔵野大学客員教授で水ジャーナリストの橋本淳司氏によると、「ダムの水源地に雨が降らないと、水道水源として意味がない。小雨になったり暑くて蒸発量が増えたりすると、ダムの貯水量が一気に減り、今後の降水によっては本格的な水不足になる可能性もある」といいます。

天達気象防災キャスター:
もしこのままほぼ降らないで暑い夏がやってきた場合は、かなり深刻な問題になると思います。ただ、現在利根川水源のダムを見ると、ここ数年で一番水は多いくらい。ただ、このまま降らなければ夏はどんどん使いますので、一気に干上がってしまうことも、考えられるので、今後の天気はすごく重要になってくると思います。

水不足にならないための「節水アクション」について伺いました。水ジャーナリストの橋本氏によると、以下のことに気をつけることが大切だといいます。

・歯磨きで1分間水を流すと10L使うので、口をすすぐ際はコップ(300mLほど)ですすぐ

・台所では必要な時だけ蛇口を開閉(5分で60L使ってしまう)

・節水型のシャワーヘッド・蛇口で30~50%の削減可能

豊崎由里絵氏:
私がいますごく気になっているのが、雨水タンク?雨水をためるものなんですけど、調べたら色々な地方自治体で補助金を出しているんです。私が住んでいるところは上限はあるんですけど半額出してくれる。それで、雨水をためておいて、庭の水やりとか車を洗ったりするのにも使えるんですけど、それをすることで道路の冠水とかも防ぐ役割があるから、補助金を出しているそうで。
節水にもなって、環境も整うならいいのかなと、今興味あります。

佐藤弘道氏:
自治体から補助金が出るものを調べるのもいいですね、それが環境にも良ければ。

(『サン!シャイン』 2025年7月2日放送より)