夏休みシーズン本番！多くの外国人旅行客が来日する日本の空の玄関口、成田国際空港。
2025年6月に来日した外国人旅行者は、約330万人で、6月としては過去最多となりました。さらに上半期、日本を訪れた外国人は、過去最速で2000万人を突破したといいます。
そんな空港の安全を支えているのが、預かった手荷物や貨物の搭降載や清掃、さらに、航空機の誘導などを行っている「グランドハンドリングスタッフ」です。
『サン！シャイン』は、そんなグランドハンドリグスタッフの一人である、成田空港ANAスタッフの青木さんを取材しました。
離着陸を支える「グランドハンドリングスタッフ」
様々な分野に精通していなければならない、グランドハンドリグスタッフ。必要な資格は50種類以上あり、入社後も、資格の取得のため、勉強に励むスタッフが多いと言います。
成田国際空港 グランドハンドリングスタッフ 青木さん：
数え切れないくらい資格があって、飛行機の種類ですとか、大きさによっても資格は別になっていますので。
実際にどのような作業を行っているのか。お仕事風景を見せてもらいました。
空港に飛行機が着陸すると、「マーシャラー」と呼ばれるグランドハンドリングスタッフが、航空機の駐機位置を示すものや、旋回の方向を知らせるサインなど、主に5種類のサイン使って、地上から航空機の誘導を行います。
到着後は、預かった手荷物や貨物の搭降載などを行い、次のフライトへ向け準備が進められます。今の季節は、アスファルトで熱され約40℃という高温の中で作業を行っているといいます。作業の合間には、水分補給をこまめに行うなど、熱中症対策がかかせません。
貨物や手荷物の重量が偏っていると、離着陸時に航空機の姿勢制御に悪影響が出るため、コンピューターなどで重量を緻密に計算。航空機が最もバランスを保つことのできる配置にします。
飛行機の貨物室のドアがしっかり閉まっているか、繰り返し指さし確認を行う青木さん。その手にはめられた軍手には「指差呼称」の文字が。
成田国際空港 青木さん：
人さし指で声を出しながら、「ロックよし」といってやるために。意識づけるために、この軍手になっています。
乗客が搭乗し、いよいよ離陸となると、登場するのが「トーイングトラクター」という特殊車両です。バックができない航空機を、「プッシュバック」という方法で誘導路まで押し出します。
このとき、トーイングトラクターと飛行機の前輪を特殊な金属バーで接続しますが、かなり繊細な接続作業となっているため、2人のスタッフが息を合わせて接続させます。
成田国際空港 青木さん：
（プッシュバックするときは）急なハンドル操作をしないことと、速度をあんまり出しすぎないことに気をつけていて、急な操作をしてしまうと航空機が壊れてしまう原因にもなるので。
約50t の重さがあるトーイングトラクターで、その何倍もある航空機をゆっくり動かします。約8ｍの距離を3分半かけ、機体を押し出し…無事、誘導路へ到着しました。
そして、最後はグランドハンドリングスッタフ総出で航空機をお見送りします。
成田国際空港 青木さん：
やっぱり（航空機が）安全に出て行ってくれたことが一番ほっとしますし、きょうも窓からお客さまが手を振っている姿が見えたので、頑張って良かったなと思います。
違法薬物や金の密輸を防ぐ…税関の仕事
2025年5月、成田空港で覚醒剤約3.9kg、末端価格にして2億2600万円相当が押収されました。さらに、違法な薬物だけでなく、近年、金の密輸も増加しているといいます。
夏休み、多くの外国人旅行客でにぎわう成田空港で、目を光らせている人たちがいます。
入国者の手荷物をチェックする「税関」の職員たちです。
入国する人の手荷物をひとつひとつ綿密にチェックし、密輸などを水際で取り締まります。
取材をしていると、やってきたのは中国から来たという夫婦。
渡されたトートバッグの中には、なんと1000万円の現金がそのまま入っていました。
職員が何に使うのか目的を聞くと、「家を建てる」と答える夫婦。
現金は課税の対象ではありませんが、100万円を超える現金などを持ち込む場合、申告が必要なため、申告書の記入の仕方を丁寧に説明します。
税関では、このような確認や検査など1日に数多くの人を対象に行います。
その際、世界各国の旅行者に対応するため、英語はもちろん様々な言語で検査を行うといいます。
東京税関 成田税関支署 旅具通関部門
加藤弘統括監視官：
夏休みなどで旅行客の皆さんが多くなる時期になります。
繁忙期にかかわらず、税関としては関係官庁と連携しながら、取り締まりをしっかりしていきたいと考えています。
グランドハンドリングスタッフに税関など、日本の空の玄関口は、多くの人の働きで成り立っていました。
(『サン！シャイン』 2025年8月12日放送より)
