人気観光地の神奈川県鎌倉市で、6月28日未明に水道管が破裂して道路に水があふれ出し、約1万戸が一時断水となる被害が発生しました。

あふれ出した直後に撮影された映像を見ると、ごうごうと音を立てて道路にあふれていく水に、軽トラックが今にも押し流されそうになっています。

住民:
ここらへんは、ものすごい勢いの水が流れていて、とてもじゃないけど怖くてこっち来れなかった。

住民:
すごかったです。音がすごい、正直怖かった…寝られませんでした。

28日の鎌倉周辺の最高気温は29.8℃。市内に設置された10カ所の給水所には、多くの住民が水を求めに訪れました。

午後になると、水道は徐々に復旧してきたものの、水道から出る水は、まだ茶色く濁っており、飲み水としては使用できない状態です。

住民:
「すぐは飲まないでください」って、で、ちょっと見たら茶色いですね。濁っている、飲めません。茶色いでしょ?しばらく出したら真水になるかもしれないけど、茶色いです。

この断水で、深刻な被害が出ていたのは、鎌倉の商店街です。普段なら、観光客でにぎわう週末に、多くの店が休業を余儀なくされました。

和彩八倉 小町通り店 福嶋稔之店長:
大打撃ですよ。予約は10組入っていた。今10組とも連絡取れて、お詫びして…また次回に延期みたいな形で。

その後、大規模断水は28日の午後10時ごろに復旧工事が完了。現在は「飲み水」としての利用が可能になったということです。

神奈川県によると、破裂した水道管は1964年に設置されたもので、水道管をつなぐボルトが腐食し、管が外れたことが原因だといいます。

2025年に入り、全国で相次ぐ水道管のトラブルや道路の陥没。
上下水道事業に詳しい近畿大学の経営学部 浦上拓也教授によると、1980年頃までに急速に整備された水道管が一気に老朽化して、全国的に事故のリスクが高まっているといいます。

近畿大学 経営学部 浦上拓也教授:
老朽化が進むと、当然事故の確率が上がっていきますから、おそらく確率として事故の数っていうのは、まだまだ増えていくということは考えられますね。

(『サン!シャイン』 2025年6月30日放送より)