大阪・関西万博の期間中、1日で最大22万人の利用者が想定される大阪環状線の弁天町駅。

『サン!シャイン』は、お盆のこの時期、世界各国の観光客でごった返す駅でJR西日本の職員の1日に密着取材。列車の安全を守るプロフェッショナルな仕事に迫りました!
「サポートするのが自分の仕事」駅員の一日
8月8日、万博会場へ乗り入れる大阪メトロへの乗り換え駅となっている、大阪・弁天町駅は、ホームに人があふれるほどにぎわっていました。

『サン!シャイン』が取材したのは、JR西日本の駅員・平石誉(ひらいし ほまれ)さん。精算や乗客案内などを行う「改札総括」を任されています。

夏休みの子供たちに電車の描かれたシールを渡したり、困っている外国人観光客に翻訳機を使って案内をする平石さん。なかにはこんなお客さんも…。

男性客:
ミャクミャクのお店って、なんかありました?

JR西日本・弁天町駅 駅員 平石誉さん:
駅にはないのですが、グッズはセブン-イレブンで売っています。

世界中からやってくる観光客のために、駅周辺の案内もできるよう、日頃から勉強しているといいます。

JR西日本 平石誉さん:
万博が開催しているのもあって、遠方からご利用される方がかなりいらっしゃるので。
お客さまが自分の行きたい目的地までスムーズにご旅行いただけるように、サポートするのが自分の仕事だと認識しています。

そして、精算や案内などを行う改札総括の仕事で重要なのが、どの駅で何分の遅れが発生しているか、常にダイヤの乱れをチェックし、運行の問い合わせに即座に対応すること。

JR西日本 平石誉さん:
お客さまになぜ遅れて到着したのかっていうのを、逐一放送するようにしています。

仕事開始から7時間が経過した午後4時ごろ、平石さんが向かったのは休憩室です。
駅員は基本24時間勤務ですが、1時間の休憩を複数回とりながら業務にあたっているといいます。

午後8時、万博から帰ってくる客が多くなる中、平石さんは迷子になった中国人の子供と一緒に駅員室にいました。

ホームで係員が見つけたという、迷子の中国人観光客の子供。
幸いなことに、隣の西九条駅で「息子とはぐれた」と話す母親が見つかっており、今は迎えに来るのを待っているといいます。

翻訳機を使いながら、「もう少しでお母さんが迎えに来るから待っていて」と話しかけ、電車が描かれたシールを渡して、子供が不安にならないようにケアに務めます。

しばらくして、隣駅から駆けつけた母親の姿が見えると、ドアを開けて勢いよく飛び出す子供。泣きながら母親に抱きつきます。

母親とはぐれた中国人の子供:
お母さん~!駅でお母さんが来るのを待っていたんだ、どこへ行っていたの…。

親子は翻訳機を通して平石さんたちにお礼を言うと、二人で去って行きました。

JR西日本 平石誉さん:
苦労も当然あるんですけど、その分やはりお客さまが笑顔でご利用いただけるっていうのが、すごい僕にとってはうれしいことなので、苦にはならないです。
安全を守るために…150カ所以上のナットやボルトのチェック
次に取材したのは、万博へつながる大阪環状線の列車などが集結する車両基地で、メンテナンスを担当している、鈴木達也さん。

この日、保守点検するのは万博仕様の「パレードトレイン」という車両です。

車内には900枚以上のLEDパネルが設置されており、映像コンテンツが流れるという話題の列車で、前方・左右に取り付けられた9つのカメラで撮影された映像をリアルタイムで表示、オープンカーに乗っているような体験ができます。

特殊な機械を使って、車体を丸洗いし、車体のドアの開閉や、電気系統の要パンタグラフの昇降確認など、隅々までメンテナンス担当の鈴木さんがチェックします。

JR西日本 メンテナンス担当 鈴木達也さん:
線路にカメラセンサーなどがついていまして、パンタグラフの状態を画像で確認を行っています。

JR西日本では最新の車両状態を監視する装置を導入。列車が通過するだけでパンタグラフや車輪の消耗度を確認することができるといいます。
センサーで得た情報を元にすり減り具合などをチェック。問題なければ二重丸が表示されます。

一方で地道な検査も欠かせません。
10日に1回実施される ナットやボルトの緩みを音を聞いて確認する「打音検査」。
この日の最高気温は36.4℃。汗が噴き出る気温の中で、150カ所以上、地道に確認していきます。

ゆるみが確認されるのは、半年に1度ほどだといいますが、万が一に備えて検査を怠らないことが重要だといいます。

JR西日本 鈴木達也さん:
本当にここが緩んでしまうと、極端な話、電車が脱線してしまうかもしれないので、お客さまの安全を守るためにも、やはり10日に1回でも確認はしておくべきだと。
誰もが言うことかもしれないのですが、お客さまが安全に心地よく乗る車両を提供できればなと思います。

(『サン!シャイン』 2025年8月11日放送より)