たくさん汗をかいて、「痩せやすい」イメージのある夏。

しかし、この認識は大きな間違い!実際は気温が高くなるにつれて、基礎代謝量が下がり、体重増加や太りやすい体質につながるといいます。

イシハラクリニック 石原新菜 副院長:
実はその考え、間違っています!夏は冬に比べて太りやすいんです。
暑いから体を冷やすために汗をかいているのであって、自分の代謝が上がっているわけではないです。(暑い時期は)体温を上げて、寒さから守る必要はなくなるので、基礎代謝が冬と比べると下がってしまう季節なんです。

石原医師によると、猛暑に太る原因として、基礎代謝が低下する他には、暑さで運動量や外出を控えることで筋力が低下し、消費カロリーが減ることや、涼しい室内と暑い屋外を行き来する温度差で、自律神経のバランスが乱れることが挙げられるといいます。

――他にはどんな人が夏に太りやすい?
イシハラクリニック 石原新菜 副院長:

夏だからスタミナをつけなきゃと、結構スタミナ食を頑張って食べようという方。焼き肉やステーキだったりウナギだったり、それを食べ過ぎてしまうと太りやすくなったりとか、あとは女性の方で冷え性の方が多いのですが、冷え性の方がずっとクーラーの効いた寒いところにいると、代謝が下がって夏太りしやすいです。
(暑いと)そうめんとか、のどごしのいい物を食べてしまうじゃないですか。そうすると、タンパク質とかが少なくなって代謝が下がるというのもあります。

“夏太り”を防止するために…実は食べ合わせが大事?

“夏太り”を防ぐためには、どんな食事をすればいいのか。
東洋医学にも詳しい石原医師によると、食品には体を温める「陽性食品」と、体を冷やす「陰性食品」があり、夏はニンジン・りんご・味噌・そば・赤身魚などの「陽性食品」を食べることで代謝を上げることができるといいます。

逆に体を冷やすきゅうり・葉物野菜・すいか・白身魚・牛乳などの「陰性食品」は、食べる際に陽性食品と組み合わせて食べることで、代謝を上げることができるといいます。

イシハラクリニック 石原新菜 副院長:
やはり、夏のものは暑いときに食べるから、体を冷やす作用があると昔から言われていますが、ただ今はどこでもクーラーが効いているので。夏が旬のものは、体を冷やさないように陽性食品と組み合わせて食べるという考え方なんです。
例えば、陰性食品のきゅうりを食べたいと思ったら、陽性食品の味噌につけて食べるとか。トマトやスイカも少しお塩をかけて食べるとか、昔からある食べ方は理に適っていたんですよね。

代謝をよくする青魚を食べる際は、「刺身」がオススメです。
青魚の脂にはDHAやEPAという血液をサラサラにする成分が含まれているため、酸素や栄養素のめぐりがよくなり代謝を上げてくれますが、焼いてしまうと脂が落ちてしまいます。そのため、焼き魚より刺身がいいそうです。

また、夏においしいそうめんやざるうどんなどの冷たい麺は、内臓を冷やして代謝低下や糖質過多につながるため、食べる際には生姜、ネギ、ミョウガなどの薬味を足すことで、代謝を上げることができます。七味をプラスすれば、辛味成分の「カプサイシン」でさらに代謝アップ!

体温が1度上がると、基礎代謝が約13%上昇するともいわれおり、体を冷やしすぎないことが大切です。

イシハラクリニック 石原新菜 副院長:
冷えてしまうと代謝が下がって夏太りしやすくなるので、冷たいものを食べるときでも代謝が上がるような食べ方をするのが大事です。(少しかけるだけでも)違います。ネギ、しょうが、カプサイシン、少しでもいいです。

――激辛料理などを食べて汗をかくのもいい?
激辛だと、汗がたくさん出るということは、汗が蒸発するときに体の熱を奪うので。汗をかかないくらいに、(七味を)かけるとちょうど良くなります。

他にも、ビタミンやアミノ酸などの代謝を上げる成分が多く含まれるキムチなどの発酵食品や、ビフィズス菌入りのヨーグルトも短鎖脂肪酸を作り脂肪の代謝を上げてくれます。
食後に食べるのがオススメです。

イシハラクリニック 石原新菜 副院長:
ビフィズス菌などの善玉菌が作る短鎖脂肪酸というものがあって、有機酸で腸内を弱酸性にすることで悪玉菌が増えないようにしてくれたりとか、脂肪の蓄積を抑えてくれるので、太りにくい体づくりをすることができます。

太りにくい体を作る“代謝アップキーワード”

さらに、石原医師は基礎代謝を上げるために、あるアイテムを一年中着けているといいます。それは…「腹巻き」。

イシハラクリニック 石原新菜 副院長:
夏でも、絶対!もうワンピース1枚でも腹巻きは絶対にしています。おなかを温めることで、内臓の血流が良くなって、代謝も上がるんですよね。

――汗をかいたりはしませんか?
汗をかいたら、予備を出して着替える(笑)着替えも持っています。
夏はちょっと薄手の生地で。冬はちょっと厚めの。

最後に、夏に太りにくい体を作る“代謝アップキーワード”を頂きました。

一、野菜は根菜
一、魚は刺身
一、麺類には薬味
一、一品足すなら発酵食

この四つをこころがけて、楽しい夏をお過ごしください。

(『サン!シャイン』 2025年6月25日放送より)