5月18日、都内の東急池上線の駅で、朝の出勤・通学時間帯に発生したモバイルバッテリーによる火災事故。

警視庁によると、中学生のかばんの中にあったモバイルバッテリーが出火。すぐに火は消し止められましたが、隣にいた女性が軽傷を負ったということです。
この影響で電車は一時運転を見合わせ、約9300人に影響が出ました。

モバイルバッテリーに使われていたのは、リチウムイオン電池
東京消防庁によると2025年に都内でリチウムイオン電池を使った製品から出火したことによる火災は382件と過去最多を記録

NITE(製品評価技術基盤機構)によると、春から夏にかけて気温が上昇する今の時期に火災発生件数が増え、8月にピークを迎える傾向があるといいます。

影響は航空業界にも広がっています。
4月下旬、航空各社は国内線・国際線共にモバイルバッテリーの機内への持ち込みを制限する新たなルールを開始しました。

『ノンストップ!』がモバイルバッテリーの利用状況を街で調査してみると、「モバイルバッテリーを常に持っている」と答えたのは、126 人中26人。約5人に1人が携帯していると回答しました。
しかし…

10代女性(モバイルバッテリーを持ち歩く派):
モバイルバッテリー前見たら、もう膨れてて、やばいってなって捨てました。

10代女性(モバイルバッテリーを持ち歩く派):
よく落としちゃうんですけど、そういうときに発火しないのかなって実際思います。

中にはこんな人も…

30代女性(モバイルバッテリーを持ち歩く派):
捨てられずにたまっている。使わなくなったモバイル充電も家にとりあえず置いちゃってる。処分に困っている。

皆さん、多くの疑問を持っている様子。
そこで、スタジオに専門家をお招きして、正しいモバイルバッテリーの使い方と、捨て方について詳しく解説いただきました。

ワイヤレスイヤホン使用中の爆発も…

身の回りで多く使われているリチウムイオン電池。
携帯型扇風機やモバイルバッテリーのほか、スマートウォッチやワイヤレスイヤホンなどにも使われています。

屋外編 リチウムイオン電池使用例
屋内編 リチウムイオン電池使用例

実際、ワイヤレスイヤホンを使用中に爆発し、首などをやけどをしてしまったという事例も。

元消防士・防災スペシャリスト 野村功次郎氏:
(原因として)一番多いのは落下、衝撃ですね。

<モバイルバッテリーの選び方と使い方>
▲選び方 
・純正品、メーカー認証済み製品
・PSEマーク付き製品
▲使い方
・衝撃・圧力・高温を避ける
・ながら充電はしない
・残量20~80をキープ

倉田大誠フジテレビアナウンサー:
モバイルバッテリーによる火災の発生件数は実際に多く起きているんですけれども、その原因としては例えば1m以上の高さから落としてしまう、ですとか高温の場所にずっと放置しているなどいくつかの原因が考えられます。
野村さん、モバイルバッテリーの使用について、いくつかポイントがあるんですよね?

野村功次郎氏:
PSEマークがある安全基準を満たしたものを使用してください。また、正規品で付いているアダプターやコードをセットで使ってください。別のものを使うことによって誤作動だったり、余計な電気の供給などが起こる可能性があります。純正品でなく(別のものを)代替で使うと、それが誤った使用方法になるということもあります。

倉田アナ:
モバイルバッテリーの発火による火災は、さらに怖い面があるとのことですが?

野村功次郎氏:
煙が出ますよね。もちろん火傷も怖いんですが、例えば電車の中で発火すると、発煙が先にあるんですね。シューッと発煙した時にガスが出るんですよ。フッ化水素という。吸えば有毒なんですよ。
これが密室だったり狭いところで大量に吸ってしまうと、目の粘膜とか肺に入ってしまうと健康被害、最悪の場合死に至るという可能性もあります。

もし火災になったら…「大量の水で消火」

では、もしリチウムイオン電池を使った製品で火災になってしまった場合どうすればいいのでしょうか?

倉田アナ:
(モバイルバッテリーなどが)熱を持ちます。熱を持ったときはまず使用をやめてください。冷蔵庫などで冷やすのはNGです。野村さん、保冷剤で冷やした場合はどうでしょうか?

野村功次郎氏:
保冷剤で冷やすと急激な温度変化によって中に結露が発生します。結露が発生するイコール空気中の水分が中に発生すると、酸化物と空気中の水分が融合すると爆発するんですよ。
冬場で寒いところから室内に入って暖かいところにずっとあると爆発する可能性もある。

倉田アナ:
熱伝導率が高い10円玉を裏面に当てて熱を逃がすという方法も一時的な処置としてあるそうです。
では、次の段階「膨張」に進んだら、「処分まで鍋で保管をする」とのことですが…?

野村功次郎氏:
仮に膨張して、爆発する前はシューッと音がしたり煙が出てボーンっていうんですけども、そうなった時のために、燃えたときのために蓋をして密閉することで酸素供給を絶つ。なのでこのまま放置していけば消えると。二次災害と延焼を防ぐという手法です。

倉田アナ:
ただ膨張の後何が起きるかというと…ここから火が出ます。実際に発火してしまったらどうしたらいいのでしょうか?

<もし、モバイルバッテリー発火したら?>
・バケツ1杯ほどの大量の水で消火する。少量はNG
・消火器がない場合、ボウルや鍋の中に入れて、酸素供給を絶つ

野村功次郎氏:
結露と同じ原理ですね。水が少なければ酸化物に水を与えてしまうので、少ない水であればより燃えてしまう。なので大量の水、またはもうどっぷりつけるぐらいの消火方法が一番有効です。2Lペットボトルぐらいの満タンのをドボドボドボドボってかけるぐらい。内部に水が入るまでというのは結構な量がかかるんですよね。

しかし、こうなる前に「正しく処分する」事も重要です。正しい捨て方としては…

・「可燃・不燃ごみ」としては捨てない(自治体により対応が異なる)
・メーカーや販売店による回収サービスを利用
・自治体の回収ボックスを利用

といったことが挙げられます。捨てるときにはお住まいの自治体のホームページなどを必ず見て、正しく処分しましょう。

(『ノンストップ!』2026年5月21日放送より)