原油価格が再び1バレル=100ドルの大台を突破。ガソリン価格高騰への警戒が強まる中…
世界に先駆けて放出方針を示していた日本で16日、備蓄した石油の放出が始まりました。

まずは、大手石油元売りをはじめとする民間事業者が、義務付けられている70日分の備蓄のうち、15日分を放出。その後、国が持っている国家備蓄を1カ月分放出します。
また、ガソリン価格の上昇を抑えるため、政府は3月19日から元売り各社への補助金を再開。レギュラー1Lあたりの全国平均価格を170円程度に抑える方針です。
政府の対策で、ガソリンなどの高騰をどこまでおさえられるのでしょうか。

ガソリン高騰…「185円」に驚きも

16日、『サン!シャイン』が訪ねたのは、都内のガソリンスタンド。12日に、レギュラーガソリンを1Lあたり157円から185円に値上げしました。

利用客:
高市政権で(暫定税率廃止の)効果ありましたけど、結局もう戻っちゃったかって感じですね。これ満タンじゃないんですけど46Lで7000円くらいだったと思う。46Lで8000円以上は結構きついですよね。

消費者の懐を直撃しているガソリンの高騰。客足にも影響が…。

シンエネ商事 八幡山SS 佐藤大 所長:
(値上げの影響で)今回の土日がやはりいつもの土日に比べると3割くらいお客さんが少なかったですね。

運送会社・クリーニング店にも影響「経営厳しく…」

燃料の高騰に戸惑っているのは、ガソリンスタンドだけではありません。
厳しい現状を明かしたのは、神奈川県の軽貨物運送会社の経営者。

株式会社アスティ 美濃口集 代表取締役社長:
ガソリンが高騰するということは経費が増えていますから、その分経営がやっぱり圧迫されるっていうところです。物価高騰もあるので、そういう経費が増えていくことによって経営のバランスが非常に難しくなっているのが今の現状ですね。
1台(月)7000~8000(円)ぐらい燃料費が上がっているので、それかける台数ってことを考えると、経営も非常に厳しくなっているのは事実です。

こちらの運送会社で使用している車は約20台。価格高騰が続けば、月14万円ほどガソリン代が増える計算になるといいます。
日々、燃料代を浮かせるための努力を行っていますが、それにも限界が。本来なら運送料金を値上げしたいところですが…。

株式会社アスティ 美濃口集 代表取締役社長:
元請けさんありきでお仕事させていただいてますので、本当だったら色々と燃料の交渉だったりとかっていうところもしたいところはあるんですけれども、それでお仕事を切られてしまうとやっぱり困りますし、今は耐え時なのかなっていうところが正直、私たちが今思っているところです

こちらは、関東を中心に店舗を展開するクリーニング店の、店内に掲示された“値上げのお知らせ”。上着やブルゾンなどが800円から1000円になっています。

値上げは3月1日からで、“ホルムズ海峡封鎖”以前からの原材料費高騰などによるもの。今回の石油製品の高騰は、例えばハンガーや、衣服を保護する袋の値上がりにもつながり、今後も予断を許さないといいます。

クリーニング専科 長沼店 代田萌さん:
3月からクリーニングは繁忙期に入るんですけれども、今後どういった影響があるのかっていうのは注視していきたいと思います。平日スーツを着られる方でしたりとかコートを着られる方、たくさん利用していただくお品物でもありますので、(客足減少の)影響が多少は出てきてしまうのではないかなと思います。

こうした中で始まった、石油備蓄放出。私たちの生活を直撃している石油価格高騰に、どの程度効果があるのでしょうか。

価格いつ下がる?石油備蓄の効果は

『サン!シャイン』では、明治安田総合研究所フェローチーフエコノミストの小玉祐一氏と、石油の流通に詳しい桃山学院大学経営学部・小嶌正稔教授に解説していただきました。

――ガソリン価格はどのタイミングから下がっていく?
桃山学院大学経営学部 小嶌正稔 教授:

タイミングというのは地域によってかなり違ってくると思うんですけれども、来週の前半(23日あたり)からは大体全国平均で170円というふうに近づいていくと思います。
ただし非常に幅がありますから、実際には地域によって180円から165円の間。地域差はしばらくの間は非常に大きいと思います。

では、政府の対策はいつまで効果があるのでしょうか。小玉氏によると、「備蓄放出の効果は一時的、補助金も時間稼ぎにしかならない。長引くほど財政不安につながる」と指摘します。

左:小嶌正稔 教授 右:小玉祐一 氏

明治安田総合研究所 フェローチーフエコノミスト 小玉祐一 氏:
政府としてはとりあえず必要なことを今やっているということだと思うんですけども、やっぱり時間稼ぎ、あるいは一時しのぎにしか過ぎないということですよね。こうやって一生懸命対策を打っている間にホルムズ海峡が何とか安全に航行できるようになればいいんですけども、それが何カ月とどんどん長引いていけば燃料補助基金でもその後に用意している予備費でも足りなくなる可能性がある。それでやめるというわけにはいかないと思うんですよね。じゃあどうするのか。赤字国債発行するのかということになると、円安が進んで国債が売られ株も売られ、場合によっては日本売りという状況になるリスクがあるということです。

――生活への影響は?
ありとあらゆる価格に影響してきますので、運送費もそうですしあとは材料もそうですよね。身近なところではスーパーの肉のトレイとか、そういうのも原油由来なので、肉の価格も上がってきます。
例えば1バレル=150ドルとかだったら状況次第では全然あり得ますよね。

桃山学院大学経営学部 小嶌正稔 教授:
実際どれぐらい上がるかって、全く検討がつかないんですけれども、逆に言うと1バレル=100ドルを超えれば確実に我々の生活に影響を与える。125ドルを超えるようなことになってしまえばおそらく皆さん方が「これからどうしようか」って悩むほどの影響を与えてくる。150ドルになりますと今度は「生活を変えなきゃ」っていう程度に影響を与えてくると思うんです。

(『サン!シャイン』2026年3月17日放送より)