食事による血糖値の乱高下により、強い眠気などが起きる「血糖値スパイク」

食事をすることで急激に上がった血糖値を下げるために、大量のインスリンが分泌され、急激に血糖値が下がることで起きるといわれていますが、放置すると血管が詰まり、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクも高まるといいます。

6月17日、史上最速の真夏日を記録した東京。
糖尿病診療などを行う「銀座泰江内科クリニック」には、体調不良を訴える患者が訪れていました。

患者:
喉が渇いてしまって、ジュースを何杯も飲んでしまったりとか…。

銀座泰江内科クリニック 泰江慎太郎院長:
水分を補給しなきゃいけないと思って、特にスポーツ飲料を水代わりに飲むようなことをしていると、血糖値が300~400mg/dL超えてしまって、今度また血糖が急激に下がったりして、低血糖になって気分が悪くなってしまうと。

「血糖値スパイク」は食事以外にも、糖分の多い飲み物が原因となるケースもあるため、汗をかき喉が渇く季節は、注意が必要です。

「血糖値スパイク」セルフチェック

万病のもとと言われている、「血糖値スパイク」。
血糖値の急激な変動により、血管にダメージをあたえ動脈硬化が進行。心筋梗塞・脳梗塞など突然死のリスクも上昇し、糖尿病・認知症・がんにもつながる可能性があるといいます。

さらに、健康診断では空腹時の血糖値を測るため、気づきにくいという点も…。

そのだ内科糖尿病・甲状腺クリニック 薗田憲司院長:
「血糖値スパイク」は健康診断で拾い上げられないので、すでに糖尿病予備軍になっている可能性があるんです。

そのだ内科糖尿病・甲状腺クリニック 薗田憲司院長

――病院に訪れる患者はどんな人が多いですか?
若い人から高齢者まで、食後1時間以降に体調不良を訴えられる方が結構いらっしゃいます。想像以上に痩せている方も外来では多くて、それこそ、BMIが22…18以下の痩せ型の人でもなってしまうんです。性別は、男性の方が多いのですが、女性も増えてきています。

自分が血糖値スパイクなのかを調べることができる「セルフチェック」があります。
以下の9項目のうち、3個以上当てはまるものがある場合は、注意が必要です。

・食後にすぐ眠くなる
・毎日朝食を食べない
・40歳以上
・運動は週3回未満 
・3食中1食は早食い(10分以内)もしくは大食い
・家族に糖尿病の人がいる
・食後すぐ横になる または座る
・これまでに3回以上ダイエットに挑戦
・睡眠時間 6時間未満が週に3回以上

血糖値を上昇させない食事法

「血糖スパイク」の原因となる、急激な血糖値の上昇を起こさないためには、どうすればいいのか?薗田院長によると、食材のバランスや食べ順などが非常に大切になってくるといいます。

薗田憲司院長:
良質なタンパク質と油をしっかり取ることで、インスリンと言われる血糖値を下げるホルモン、これの分泌を助けてくれると考えられています。
また、食物繊維をしっかり取ることによって糖分の吸収をゆっくりにできるんです。これは血糖値スパイク対策には、一番大切かもしれないです。

――油は揚げ物も有効ですか?
熱の込めた油があると、別の件で体を崩してしまうという方もいるので…。
ただ血糖値という切り口から言うと、どの油をとっても、スパイクは起こりにくくなります。それは、現場で血糖値を見て確認できています。

――間食するときは何を食べたらいいですか?
実は人間の血糖値のうちに、一番下がりやすいのが、午後3時から午後5時くらいの間。昼は活動しているので血糖値の乱高下、この下がったタイミングでどうしても間食が取りたくなります。糖質を多くて20gくらいでいってもらえばいいと思います。
(血糖値スパイクは)炭水化物の一気食いなどが問題なるので、こまめにとっていただく。具体的には多くても20g以内の炭水化物を取れるといいのかなと思います。
(間食をしないと)夕食の炭水化物のドカ食いにつながることが多くて、一気食いによって血糖値スパイクが上がってダン!と下がるという方が多いですね。

血糖値を急上昇させないためには、食べ方も大切だといいます。順番として、野菜(食物繊維)を先に食べてから、炭水化物を食べることで血糖値の上昇を抑制できます。

薗田憲司院長:
血糖値スパイクを防ぐにおいて、食べ方は本当に大切になってくるんです。
先にお野菜の食物繊維で胃と腸を敷き詰めて、その後にタンパク質をしっかりとって、血糖値を下げるインスリンが出やすくする、そうして準備を整えてから炭水化物を頂くと。

また、体の構造上、朝に血糖値を上げるホルモンがたくさんでるため、朝は一番血糖値スパイクが起こりやすいといいます。朝に血糖値を上げないためには、普段食べている朝食のパンやごはんにサラダ(野菜)を追加してください。

このとき、ノンオイルドレッシングではなくオイルドレッシング、またはマヨネーズを使用してください。朝は胃が空っぽで糖質を全て吸収するため、ドレッシングの油が炭水化物の吸収を邪魔してくれます。

食後は、1~2分間の軽い運動を行ってください。
階段の上り下り、廊下を早歩きや、簡単なスクワットや立っているだけでも、血糖値の上昇を抑制する効果があります。

(『サン!シャイン』 2025年6月18日放送より)