今、国内外で高まる、原油価格高騰への不安。
ホルムズ海峡周辺の情勢が緊迫の度を増す中、3月12日夜、会見を行った高市首相。
高市早苗首相:
緊急的な激変緩和措置を早急に実施するよう赤沢経済産業大臣に指示しました。
ガソリンの小売価格を全国平均で170円/L程度に抑制するとともに、軽油・重油・灯油などについても同様の措置を講ずることとしました。
レギュラーガソリンの全国の平均価格が、170円/Lを超えないよう、石油元売りに対し、19日から補助金の支給を行うと発表。ガソリンスタンドの店頭価格には、1週間から2週間程度で反映される見通しです。
国家備蓄放出
会見では、さらに…。
高市早苗首相:
世界でも中東依存度が突出して高く大きな影響を受けるわが国で、万が一にもガソリンなどの石油製品の供給に支障が生じないよう、わが国の石油備蓄を活用する方針でございます。
日本国内の石油備蓄を放出する考えを表明。
まず、民間備蓄15日分を放出し、その後、1カ月分の国家備蓄を放出して安定供給につなげる狙いです。
こうした中、日本時間11日午後11時過ぎ、G7・主要7カ国がオンラインで首脳会議を開き、中東情勢を受けた経済への影響や石油備蓄の協調放出について話し合いました。
また、IEA=国際エネルギー機関は、過去最大となる4億バレルの備蓄の協調放出を決めたと発表しています。
先行き不透明な中東情勢。高騰するガソリン価格への対応策の効果は?今後価格はいくらになっていくのでしょうか?
『サン!シャイン』では、第一生命経済研究所・首席エコノミストの永濱利廣氏に私たちの生活への影響について解説していただきました。
価格いくらに?生活への影響は?
9日時点のレギュラーガソリンの全国平均小売価格は161.8円/Lで、4週連続で値上がりとなりました。
――イラン情勢の悪化が続くと、私たちの生活にどのような影響が出てきますか?
第一生命経済研究所 首席エコノミスト 永濱利廣氏:
もうすでに影響が出ているところでいくと、ガソリンとか軽油とか灯油ですね。これが1、2週間で反映されますから、今年の春はその辺が上がるだろうと。
ただ、高市政権が対策をやるってことなんで、ガソリンだと170円以上には上がらないのかなと。
それより負担が大きいのが電気・ガスです。夏場ぐらいに価格が反映されてきます。
おそらくこちらも高市政権的には電気・ガスの負担軽減策、1月から3月にやったやつを延長か再開かなんかすると思うんですけど、それでもやっぱり上がっちゃうと思います。
一番遅れて出てくるのが、秋あたりに食料品とか幅広いプラスチック製品とかこういったところおそらく10月、年度後半から値上げが結構進むと思いますから、結構長い期間をかけてじわじわ物価が上がっていくと思います。
――広く多くの物の価格が上がっていくということですか?
そうですね。原油ってほとんどのものに関係してますから、幅広く上がると思います。
谷原章介キャスター:
高市総理が「小売価格を全国平均で170円程度に抑制する」とコメントを出してますけども、ちゃんと備蓄もあるから皆さん安心してくださいという効果の方が僕は狙いかと思いますが、本当にそこで止められると思いますか?
永濱利廣氏:
無理やりお金を使えばできると思うんですけど、一番心配なのが備蓄があるといっても254日分ぐらいじゃないですか。ホルムズ海峡が長期間止まっちゃうと、本当に原油が入ってこなくなる可能性があるので、そうなると抑制的に経済を止めなきゃいけないという状況にもなりかねないので、それが最悪のシナリオかなと思います。
スペシャルキャスター 杉村太蔵氏:
これまで中東地域ってさまざまな危機的な状況はあったにせよ、ホルムズ海峡は完全封鎖が長期化したということは今までそんなになくて。それって何でかといったら、日本経済にとっては油が入ってこない。これ大変な問題ですよと。一方で中東地域にとってこのホルムズ海峡は食料品とか水とかいろんな工業品、こういった生活に必要な中東地域にとってもライフラインでもあると。だからなんだかんだ言ってホルムズ海峡を封鎖しちゃうってことは中東にとっても自分の首を絞めることになるんではないかなと。だから結果的に、希望的観測ですけど、そんなに長期化しないんじゃないかなって。甘いですか?
峯村健司氏:
今回の場合はイランの指導者が殺害されたというところでいうと、これはやっぱり報復をするというフェーズになってくるので、過去の戦争と比べるとやはり長引く可能性はあるんじゃないかなと思っています。
谷原章介キャスター:
春休みや夏休みなどで海外旅行したいとなった時に、燃油サーチャージとかってどこまでどう上がっていくのか心配ですよね。
永濱利廣氏:
さらに上がるのはほぼ確実だと思います。原油が上がると円安も進みやすくなるので、そういう面でもダブルで海外旅行は影響があります。
視聴者からはこのような不安の声も届きました。
「医療従事者です。輸液パックや点滴などの袋の材質が中東からと聞いて、発注が集中しないか心配です」(40代女性)
谷原章介キャスター:
改めてこういうことが起こると、僕たちがいかに石油というものに依存して社会生活に営んでいるかすごく分かりますよね。
(『サン!シャイン』2026年3月12日放送より)
