2025年、日本を訪れた外国人旅行者の数は年間約4268万人となり、過去最多を更新しました。
訪れた人の多くが、日本の細やかな配慮が行き届いたサービスに感嘆の声を上げる中、“もどかしさ”を感じる点があるといいます。それは、「チップを渡す文化がない」ことです。
アメリカから来た観光客:
(店員から)サービスを受けたときに、チップをあげたくなる。
アメリカから来た観光客:
「チップをあげちゃダメだ」と友達に言われたの。でも、最初はあげないことに違和感があったわ。
アメリカなどでは、一般的な文化として根付いている“チップ”。
外国人観光客の中には、素晴らしいサービスを受けたのに返す手段がないと、困惑してしまう人もいるといいます。
そんな思いに応えるべく、新たな取り組みを始めたお店があります。
東京・浅草のバー「浅草BAR WALK」。チップを払いたいという声を受けて、2週間ほど前から「チップボックス」を設置しました。
「浅草BAR WALK」髙橋歩さん:
(海外から来た方から)「チップはどうしたらいいんだ」とみたいなことを言われるので、断ったときに悲しそうに帰られたお客さまがいたので、断るのも失礼なのかなと。
反応は上々なようで、中をのぞいてみると、すでにボックスにはチップが入っていました。
オランダから来た観光客:
ここはとてもいいバーだし、いいサービスを提供してくれるから。もちろん喜んでチップを渡すよ。
東京・新宿区にある居酒屋「億万鳥者 新宿本殿」では、モバイルオーダーを使って、会計額にチップを“上乗せ”できるサービスを開始しました。
「億万鳥者 新宿本殿」 店長「殿」:
お客さまがモバイルオーダー上でお会計を呼ぶ時に、「会計の何%をチップとして送りますか?」という画面が表示されて、お客さまに選んでもらって送ってもらうような感じです。
上乗せする割合は、0%から25%まで選択可能。客側は、自分の受けたサービスの満足度に合った額を支払うことができます。
利用客:
店員さんのモチベーションも高くなるし、接客の質は必ず上がると思うから。
日本は0%でもいいわけだから、逆に。気を遣いすぎる必要もないし。…押しとこうか、10%!
さらに、チップ文化になじみのない日本人にも分かりやすい、「推しエール」機能も追加。
指定した店員に「推しエール」を送ると、受け取った店員は、お礼の挨拶などでお客さんとコミュニケーションを計ったり、特技を生かしたパフォーマンスを披露します。
例えば、店員の河合未来さんは、得意の歌を披露!大好きなアニメの曲を歌うことで、お客さんに「この作品を見てください!」という宣伝も兼ねているといいます。
河合さんのあまりの歌のうまさに「推しエールを入れたらまた歌ってくれますか?」とアンコールの声が、「何回でも!」と笑顔で応えます。
「億万鳥者 新宿本殿」 店員・河合未来さん:
やっぱりモチベーションがかなり上がるっていうのと、お客さんに楽しんでもらっていただくためにも、歌を歌うっていうのってなかなかないじゃないですか。
(推しエールもらったら) めちゃくちゃうれしいですね!本当に。
“投げ銭”感覚でチップを払うことができる「推しエール」。これには、日本人のお客さんも大満足のようで…。
利用客:
ネットの投げ銭はありますけど、確かにお店の投げ銭はないですもんね。
利用客:
新しいですよね!
チップが浸透すると最低賃金が下がる?日本では反対意見多数
日本でも少しずつ広がりつつある“チップ文化”。
しかし、街からは、「いくら払えばいいか悩むくらいなら、最初から料金に上乗せしてほしい」「物価高の中、プラスαで払う余裕がない」という声も挙がっています。
『サン!シャイン』のスタジオでも、チップ導入に賛成か反対か聞いてみたところ、ほとんどが「反対」の札を上げました。
一人だけ「賛成」の札を上げた谷原キャスターは…。
谷原章介キャスター:
皆さん「反対」なので、僕は賛成の“仮の立場”としてちょっと考えさえていただきます。
やはり、気持ちは大事じゃないですか。サービスして頂いたものに対して、(例えば)タクシーに乗ったときに「おつりとっておいてください」とか、ちょっとしたことでお互い気持ちよくなるなら、お互いWin-Winなのかなと。
日本なりの“おもてなし”のチップ制度みたいなものを作っていけばいいんじゃないですかね。パーセンテージとかではなく、気持ちの。
佐々木恭子キャスター:
日本ってすでに「お通し」とか、頼んでいないけどチップ的に、すでにエクストラの料金を払っているという感覚があるんですけどね。
(チップを払うならお通し料は)払いたくない、だって頼んでないものと思ったりします。
スペシャルキャスター 武田鉄矢氏:
日本独自のチップの習慣みたいのが新しくできるといいよね、インバウンドに対して。
カンニング竹山氏:
根本的な考え方が違って、私、昔色々な事情でハワイで「竹山かき氷や本舗」というかき氷店を経営していたんです。そのときに、なぜチップが必要かというと、(アメリカは)基本的に時給はバイトさんは安いんです。基本の時給はね。だからチップなんです。チップで従業員が稼ぐというシステムだから。
一日のチップを、その日にチップを分配して渡すところとか、1カ月で渡すとか色々なやり方があるけど、基本的に従業員さんのものなんです。それを、日本でやると一回取っちゃったりするわけです、経営者が。その辺がどうなるのかとか、チップの成り立ちがそもそも外国と日本では違うということがあるから、簡単にチップと言うけど違うなというのはあります。
アメリカとかの仕組みは、最低賃金は安いけどチップでもうかりますよ、その代わりチップを払わなくてはいけないという決まりがある。
お小遣いをもらっている感覚ではなく、生活があるからチップを置いておけよと。
谷原章介キャスター:
じゃあ、チップを導入すると最低賃金が下げられる可能性があるってこと?せっかく上がっているのに。じゃあ反対だな~。
僕たちは欧米に行ったとき、チップが必要なときは払うわけだから、チップ文化から来た方々も、「チップが必要ない国では、払わなくてもいいよ」という気持ちを持ってもいいかもしれないですね。
(『サン!シャイン』 2026年3月4日放送より)
