「終活を手伝う」などといって、1人暮らしの高齢者から金銭をだまし取る“終活詐欺”の被害が拡大しています。

きたるべき日に備えて、財産やお金の整理を行ったり、医療・介護の備えや、葬儀・お墓の準備、身の回りの整理などを元気なうちにやっておく“終活”。

そんな終活を行う高齢者を狙って「資産整理の一環」と相場より高い金額で不動産を売りつけたり、「生前整理を代行する」と申し出た上で、「処分しないで」と伝えた高額な指輪なども勝手に処分し、連絡が取れなくなるなどの詐欺が増加しているのです。

神奈川・逗子市にある「終活サポートセンター」には、連日、終活に関する相談者が訪れていますが、横行する詐欺に対して不安を感じている人も少なくありません。

この日訪れた、1人暮らしをしている68歳の田中さん(仮名)も、終活に付け込んだ詐欺のニュースなどを見て不安を感じているといいます。

終活を検討している 田中さん(68・仮名):
もしも、優しい言葉をかけられたら、やはりその方を信頼してしまう。そうすると、そういう (詐欺に遭う)こともあり得るのかなと思います。

“終活詐欺”に遭わないためにできる対策「相談は複数人に」

高齢者を狙う“終活詐欺”。家族や自分自身が被害に遭わないためには、どのような対策を行えばいいのか。詐欺・悪徳商法ジャーナリストの多田文明氏に詳しく聞きました。

詐欺・悪徳商法ジャーナリスト 多田文明氏:
今、物価高や将来への不安があって「終活」を考えている方が非常に多いので、そこにつけこんだような詐欺が増える可能性があると。

スペシャルキャスター 武田鉄矢氏:
やはり弱気でいるのはダメなんでしょうか?誰かに全部相談して、仕切ってもらえないだろうかと。

詐欺・悪徳商法ジャーナリスト 多田文明氏:
注意してほしいのが、相談することはいいことなんですが、(相談相手を)1人にしない方がいいです。複数の人に聞くと。信頼をするとその人だけに相談してしまうという傾向がありますので、特に高齢の方は。そうならないように、家族や周囲の方、色んな方に相談してください。

多田氏によると、“終活詐欺”の被害の中に、このような事例がありました。

「終活の無料相談」を名乗る業者が訪問。親身な言葉に気を許し、通帳を見せたといいます。すると、資産を把握した業者は約1000万円のワンルームマンションの契約を勧誘。
資産の整理の一環として契約しましたが、知人に「相場より高いのでは?」といわれ不安に。
解約を申し出ると、業者が机を激しくたたき「裁判には莫大な費用がかかるぞ!」と恫喝。解約できず泣き寝入りとなったそうです。

――なぜ「終活」の一環で不動産の購入を勧めるケースがあるのですか?
詐欺・悪徳商法ジャーナリスト 多田文明氏:

やはり、「相続税対策」みたいなものでするケースもあると思います。例えば1000万円の現金ですと全てが課税対象ですけれども、1000万円分の不動産ですと一部が課税対象で、税金が半分以下になることもあるということで、そういった節税といった対策。
今回の業者もそうなんですが、節税をうたって近づいてきています。特に高齢者の方は、基本的にこういったことを知らないので、親切に教えるんです。そして信頼関係を持たせて誘導していくということになりますので、このような知識を知っておいて、誘導されないようにすることが大切です。

このような不動産投資詐欺の対策として、「家族信託」を利用するという手段があります。これは、本人の金融資産や不動産管理を家族や知人に委任できる「信託契約」を結ぶという仕組みです。

信託契約を結ぶと、委任した人の同意なしに資産を動かすことができなくなります。資産額に決まりはなく、家族以外の信頼が置ける人にも委託は可能です。
注意点として、司法書士など、専門家にお願いする場合は、費用が数十万円以上になるケースもあり、家族間トラブルの引き金になる可能性もあるので事前の家族会議を行った上で判断するのがおすすめです。

詐欺・悪徳商法ジャーナリスト 多田文明氏:
詐欺や悪質業者は特に高齢者の方を狙ってきますので、そういう人たちはお金を引き出そうとするわけです。それがまずできない。そして家族の目が必ず入ります、「じゃあ何のお金なの?」と、必ず受託者と言われる人が本人に聞くわけです。そして、それはダメだなとか、私も話を聞くよとか、そうなりますので。
ひとつの財産を守るための手段として、家族みんなで会議して、この人に決めようとか、家族の会議もできることが非常に良いと思います。

武田鉄矢氏:
典型的なんですけど、必ずこの手の“まずい方”のお誘いは、節税ばかりを強調しますよね。死んだ母さんがよく言っていたけれど、「税金ケチり出すと人間ろくなことがない、払うもんは払わんと。お金を刷ったのはお国やけん、取り返しに来るよ」って。
「これは節税になるんですよ」と、“節税ばかり言う人”はちょっとやっぱりおかしいんです。

――“終活詐欺”の中には、「老人ホームの身元保証をする」と言ってだましたり、遺品整理で高価な指輪などを勝手に売却し、売ったお金を持ち逃げするなどの手口もあると言いますが、これらはどのように防げば良いですか?
詐欺・悪徳商法ジャーナリスト 多田文明氏:

どういう契約をするかというのは、解約条件なども文字になっていますので、もし見られなかった場合は、周りの人と一緒に、家族や信頼できる人と一緒に見て確認するとか、こういうのはどうだろうと思ったら、自治体などの窓口に聞いてみるとか、その辺もした方がいいですね。
口約束をすると「さっき、『はい』っていったでしょ」とつけ込まれてしまって、それで契約が進んでいってしまうので、気をつけた方がいいです。

皆さん、どうしても安いところに頼もうと思っちゃうんですが、そうではなくて、信頼を置けるところを選ぶためにも、いくつか見積もりを取ってどこの業者にするか選定すると。あとは、このような勧誘を受けているのだけれど、金額は妥当なのかなど、繰り返しになりますが、自治体とか消費者センターに注意点を聞いておくというところも必要になってくると思います。

――“終活詐欺”に気をつける上で、「これを言われたら怪しい」という言葉はありますか?
詐欺・悪徳商法ジャーナリスト 多田文明氏:

だます側は最初に、その人に財産があるかを把握したいので、資産状況をまず聞いてきます基本的に。借金があればそのまま無視して別の人にいきますので、まずお金の話を初対面の人に対して聞いてくるような人はやめた方がいいと思います。

(『サン!シャイン』 2026年3月3日放送より)