12月2日から、従来の健康保険証が使用できなくなり、マイナンバーカードに健康保険証をひも付けた「マイナ保険証」に完全移行となります。
「マイナ保険証」は、受診歴や処方歴を医療機関や薬局が共有することができ、「高額療養費制度」や「医療費控除」の手続きを免除・簡略化させることができます。
一方で、従来の保険証が月に1回提出すれば良かったのに対して、「マイナ保険証」は、情報閲覧のための「同意」が必要になってくるため、都度提出を求められるなどのデメリットも。
また、現状マイナンバーカードを所持していない場合、診察を受ける際に健康保険組合などが発行する「資格確認書」が必要になります。
「健康保険証」利用:
知らなかったです。今、聞いて初めて知りました。もう本当、困惑ぎみです…。
不便だなっていうのが、まずありますよね…。そんなに切り替えを急がなくてもいいんじゃないかなって、個人的には思っちゃいますけど。
12月2日の切り替えを前に、東京・江東区にある「有明ファミリー薬局」では「マイナ保険証」の利用者の割合が3割~4割ほど。
「資格確認書」の利用者は約2割いますが、従来の「健康保険証」を使っている人もまだ4割近くいるといいます。
薬剤師からは、「切り替えに対する周知が十分ではない」という意見も…。
有明ファミリー薬局 薬剤師・小林和正さん:
マイナ保険証に切り替えること自体を知らないで、保険証を持っている方も一定数いらっしゃると思いますので、来週以降、提示されて、こちらの方から「これは使えないんです」というような説明をした際に、「それは知らない」ということを患者さんとやり取りするような回数も増えてくるのかなとは思っております。
ひも付け方法は?「資格確認書」って何?
10月末時点でのマイナンバーカードの保有率は、79.9%。そのうち「マイナ保険証」を登録している人は、87.8%だといいます。しかし、「マイナ保険証」の利用率は、37.14%にとどまっているのが現状です。
内閣官房でマイナンバーの制度設計に携わった、水町雅子弁護士は利用率が上がらない理由をこう話します。
内閣官房でマイナンバーの制度設計に携わる
水町雅子弁護士:
まだ現行保険証が使える状態で、わざわざ新しいものに変えるというモチベーションが湧かないという方も多いのではないでしょうか。
「マイナ保険証」への切り替えは、マイナンバーカードを持っていれば、マイナポータルにログインし、自分でひも付けをおこなったり、医療機関に持っていって顔認証付きのカードリーダーで、その場で登録するなどの方法があります。
マイナンバーカードを所持していない場合、従来の保険証の代わりとなる「資格確認書」が自動的に送付されます。加入している保険組合などが期限を設定することになっており、有効期限は最長5年です。
さらに、暫定処置として2026年3月末までは期限切れの健康保険証だけでも、医療機関を受診することができます。
『サン!シャイン』には、「マイナ保険証」について視聴者から多くの疑問が寄せられました。
Q.マイナンバーカードの期限が切れているのですが、更新しなくても使えますか?(40代)
水町雅子弁護士:
更新しなくても、一応3カ月間は使えることになっているのですが、更新に時間がかかるんです。市役所で待ち時間が長いというところなので、できる限り早めに更新された方がいいと思います。
Q.ひも付けは時間がかかるのですか?(30代)
これは早いです。画面に出てくる指示通りにやればできます。
Q.個人情報が盗まれそうで心配です、対策などは?(10代)
対策としては、マイナンバーカードのパスワードの管理をしっかりすることが大事です。
あとはカードをなくしたりしたときに、ちゃんと利用停止手続きをする。これがとても大事で、それ以外はそこまで心配する必要はなくて、なぜならば、カードの中に情報が入っているわけではなくて、マイナンバーカードを元に、サーバーにあるお薬の情報や診療情報を読み込みにいっているだけなので、落としたら全て自分の病歴などが他人に知られるということはないです。
谷原章介キャスター:
少し誤解があるのが、マイナンバーカードを取ろう・取らないと迷っている以前に、実はもう全国民に番号は振られているわけじゃないですか。どんな人でも番号は持っているわけだから、マイナンバーカードを作っても作らなくても、番号を持っているなら、作った方がいいかなと思ったりもしますね。
(『サン!シャイン』 2025年11月28日放送より)
