シニア世代にも人気が高まりつつあるスポーツ、ゴルフ。
スポーツ庁による2024年の調査では、ゴルフのラウンド参加率が男女共に70代がトップとなりました。
そんな中、『サン!シャイン』が注目したのは、千葉県市原市にある、ゴルフ場と住宅地が一体化した街。取材で見えてきたのは、ゴルフが生活の一部にある新たなライフスタイルでした。
無料で使えるバンカーやグリーンも「長生きできそう」
市原市にある、ゴルフ場と住宅が一体になった街「ミュアヘッド・フィールズ」。
ゴルフコースは世界的に有名なコースデザイナーのデズモンド・ミュアヘッド氏が設計。2000年にゴルフ場がオープンしました。
そして、2010年頃からゴルフ場の隣にある、約10万坪の土地に住宅地を開発。
現在145世帯ほどが別荘や住宅を建てて、生活をしています。
取材スタッフ:
この辺にもゴルフ練習スペースが。あ、ちょうどいま人が練習していますね。
住宅地の目の前にゴルフ練習用の敷地が。
街の中には住民が無料で使えるバンカーや、グリーンなど4つの練習場が完備されています。
購入して8年(70代):
好きなときに予約もなしにゴルフができるという、もう最高の環境。
さらに、家の前に練習場がある住宅を訪ねると…。
家の前がゴルフ練習スペース 戸田さん:
(家を建てるときに)ルールがありましてね、20mあけないといけないから、道路から。それじゃあゴルフ場に隣接しているし、ショートホールを造ろうかって言って作ってしまった。
なんと、敷地内に自分でショートコースを作ってしまったといいます。
さらに、室内にはバンドが演奏できるステージとたくさんのお酒が並んだバーカウンターも完備。ゴルフを通じて街の人と交流する場にもなっているといいます。
続いて訪れたのは、航空会社に勤務していた60代の男性のお宅。退職金を元に家を建てたといいます。
室内には、自慢のレコードプレーヤーやアンプなどを設置した、こだわりのオーディオルームが。
元航空会社勤務(60代):
妻と子どもが週末に遊びに来るという感じ。自分で設計した家なので、僕もゴルフと音楽が趣味で。
やっぱり都会で生活するのと全然違いますので、すごくリラックスできて、なんか長生きできそうな感じします。
創設者の思い“人との融合”
この場所に家を建てるには、ゴルフ場の会員になる必要があり、会員の年会費はランク分けされ、5万4000円~91万8000円。住民はコースを利用する際、ランクに応じてプレー代を支払います。
街の中には、住民なら無料で利用できる運動施設や一般の人も利用できる古民家レストラン、ホテルなどもあります。
この街を25年かけて作ってきたのが、不動産賃貸業を営む、坂 征郎さん(81)です。
「ミュアヘッド・フィールズ」創設者 坂 征郎さん:
ひとつに、いわゆる“村の人との融合”っていうのは非常に考えてらっしゃいました。それが、ゴルフ場経営に一番やっぱり大切だという。
『ゴルフ場と人との融合』が大切だと考えていた坂さん。
親交があるコースの設計者ミュアヘッド氏から、アメリカではゴルフ場と住宅がセットで作ることが多いと教えられたといいます。転職が盛んなアメリカでは、職場よりも「ゴルフを通じた人間関係が大事」とミュアヘッド氏から何度も聞かされ、街を作る決意をしたといいます。
住宅を建てる際には外壁は全て木材。
他にも区画ごとに色を統一するなど、自然と調和した街作りのためのルールを徹底し、景観のために電柱も地中に設置したといいます。
――この開発にどれぐらいのお金がかかっているんですか?
「ミュアヘッド・フィールズ」創設者 坂 征郎さん:
大体ざっくりいうと20億円。土木コンサルタントと一緒に、図面を作り現実化するのに、土地取得認可は非常に大変です。
すご腕・小学生「マスターズで兄と決勝を」
ゴルフ場と住宅街が一体になった街で暮らす小学生は、どれほどの“腕前”なのでしょうか?
7年前に一家でこの街に移住してきた、小学5年生の根本将誠くん。世界大会の出場経験もあるといいます。
小学5年生 根本将誠くん:
(家に)帰って準備ができたら、自分のカートで。
この場所は私有地のため、自宅からゴルフ場へはゴルフカートで移動するといいます。
市原市のジュニア強化指定選手の将誠くんは、支援を受けて無料でコースを使用できます。
「ミュアヘッド・フィールズ」創設者 坂 征郎さん:
根本兄弟といえば、ひょっとすると松山(秀樹)選手を抜くっていう逸材の兄弟なので、頑張ってもらわなくちゃいけないよ。
小学5年生 根本将誠くん:
はい。
将誠くんの兄・悠誠さんはゴルフのジュニア世界大会で5度の優勝を誇り、現在はテニスの錦織圭さんらが所属していた、アメリカ・IMGアカデミーに留学中。
そんな兄の背中を追い、世界を目指す将誠くんその実力は…。
220ヤード近く飛ばすパワーに加えて、ピンそば50cmに寄せる技術も。
暗くなっても家の裏にある練習場に移動し、ゴルフ漬けの日々を送っています。
小学5年生 根本将誠くん:
マスターズで(兄)悠誠と一緒に決勝争いして、勝ちたい。
ゴルフを通じた“絆”
ドイツから来たというトムさんも、ここに家を購入した一人です。
ゴルフ場の家の購入 ドイツから来たトムさん(60代):
このゴルフ場は特別。メンバーがみんな友達です。ワイワイしたりとか、もう最高。いま2時半?もう今みんなにぎやかですよ。
クラブ会員の仲間が集まるという場所に案内してもらうと、この日、開催されたゴルフ大会の優勝者を祝うパーティが行われていました。
ゴルフ場に別荘を購入した人:
すごくいいですよ、こういうコミュニティーもあるし。
クラブ会員内で結婚した人:
ここで知り合った男性と結婚して、ここで結婚式もしてもらって、最高です!
シニアから世界を目指すジュニアまでが、ゴルフ場と共に生活を送る街。
ゴルフを通じて、人と人のつながりが形成されていました。
(『サン!シャイン』 2025年11月24日放送より)
