今から30年前の1995年。
髪を明るく染めて、短いスカートにルーズソックスの「コギャル」たちが列をなしたのが、『プリント倶楽部』として登場した、通称「プリクラ」です。

気軽に小さな写真シールが作られる手軽さと、かわいいフレームなどで“デコ”って携帯や手帳に貼ったり、友達と交換して楽しむ“交流ツール”としての一面もあり、若者の間で一大ブームとなりました。

その後も進化を続け、1998年には全身撮影が可能になり、落書き機能が登場。
2007年には、目を大きくする機能が追加されるなど、“盛れる”機能も続々追加されました。

登場から30年。現在のプリントシール機は一体どんな進化を遂げているのか。『サン!シャイン』はプリントシール機の今を追いました!

大切な思い出もプリントシールに

やってきたのは、横浜市にある結婚式場「WEDDING CIRCUS THE BEACH YOKOHAMA」。

招待客が楽しそうに操作しているのは、なんとプリントシール機。
実は今、結婚式でプリントシールが撮れるフォトブースを設置するのが人気だというのです。

新郎・新婦と一緒に「いきますよ~」と集合写真を撮影します。

招待客:
まず普通に楽しいですね。プリクラ普通に楽しいし、それがちゃんと思い出に残るって、セットになっている。

招待客:
せっかくきれいにしてきたから写真に残せるのがうれしいよね。

招待客:
記念として持って帰れるのがすごいいいなって思いました。フレームも全部、新郎新婦のオリジナルデザインで、すごくかわいいなって。

新婦:
ちょっとでもゲストが盛り上がったりとか、思い出になるようなものを用意できたらいいなっていう思いで準備した感じになります。

新郎・新婦がデザインしたオリジナルのフォトフレームで、思い出をプリントシールとして残す。そんな特別な体験のために用意したといいます。

“目新しさ”が若者の心つかむ

少し“風変わり”なプリントシール機は他にも。
新大久保の「Pippi」では、韓国発祥の「エレベータープリ」が撮れるといいます。

「Pippi」スタッフRinoさん:
これは韓国から入ってきた「エレベータープリ」といって、エレベーターの監視カメラ目線から撮れるプリクラになっています。
この視点から撮れることがあんまりないので、珍しいというかおしゃれに見える貴重な、一見みたら不思議な写真に見えるじゃないですか。だから流行ったのかなと思います

日本に上陸するやいなや、瞬く間に大人気になったという「エレベータープリ」。
“目新しさ”を求める、今の時代にフィットしているのでしょうか?

エレベータープリを撮影した人:
上の方から監視カメラから撮られているみたいなのが、なんかあんまりなくてかわいいなぁと思って撮りました。

 “かわいい”の追及 プリントシール機が今でも愛される理由

目を大きくしたり、落書きするなど、様々な加工ができたプリントシール機。
今ではさらなる進化を遂げていると言うことで、やってきたのはプリ機専門店「girls mignon」SHIBUYA109店(フリュー)。

最新のプリントシール機で撮影するという大学生2人組に、撮影の様子を見せてもらうと、撮影後の加工画面で大盛り上がり。

最新のプリントシールを撮りに来た大学生:
まず顎が長いから短くする。中顔面狭くしすぎるとキモいから、ちょっとこうやって…。

最新のプリントシールを撮りに来た大学生:
私めっちゃ鼻だわ!もう鼻ばっか(加工)やってる。

顎の長さや、顔の細やかな幅など、細部まで“かわいい”を追及。その表情は真剣そのもの。

最新のプリントシールを撮りに来た大学生:
自分のコンプレックスを全部直せます。例えば、私は顎が長いって思っているんで、顎が削りたいって思ってそういう微調整ができる。

撮影後は、シールとしてプリントするだけではなくスマホにも保存。そして、そこからさらに“追加工”するといいます。

 最新のプリントシールを撮りに来た大学生:
やりすぎじゃないラインを狙って、調節して友達に「これで載せて、大丈夫?」ってLINE送って。

かわいく加工できたら、インスタグラムのストーリーズに投稿。
昔は「プリ帳」で見せ合っていた文化が、今ではSNS上で見せ合う形に変化したのです。

しかし、「プリクラ」が登場した90年代とは違い、今では誰でも簡単にスマホで写真が撮れる時代。なぜこれほどまでにプリントシール機が多様化し、今でも愛されているのでしょうか?
「girls mignon」を運営する、プリントシール機会社大手のフリュー広報部の村上さんはその理由をこう話します。

フリュー広報部 村上実紅さん:
かわいいを実感できる映りと、自己表現をかなえる落書き機能。撮影からシール、そして画像を共有するに至る全ての工程において、お友達との共通体験を楽しむことができたり、思い出を楽しむことができるのが、プリの魅力と感じています。

(『サン!シャイン』 2025年11月20日放送より)