寒くなるこの季節、気をつけたいのが“血糖値の上昇”です。

「そのだ内科 糖尿病・甲状腺クリニック」の薗田憲司院長によると、冬場は気温が下がり、運動する機会が減少。さらに、クリスマスや忘年会といったイベントで、高カロリーな食事や飲酒の機会が増えることで、血糖値が上がりやすくなるといいます。

血糖値が高くなると、気になるのは…「糖尿病」
「世界糖尿病デー」を11月14日に控え、今、糖尿病の指標として血糖値とは別に、「ヘモグロビンA1c(エーワンシー)」という数値が注目されています。

そのだ内科 糖尿病・甲状腺クリニック 薗田憲司院長:
「ヘモグロビンA1c」をドクター側としても、患者さんも自分自身の目標数値として使われることが多いです。一番重要な指標と言っても過言ではない。

ヘモグロビンは赤血球内のタンパク質の一種で、全身の細胞に酸素を送る働きをしています。血液中のブドウ糖がヘモグロビンとくっつくと「糖化ヘモグロビン」になり、ヘモグロビンA1cは、この糖化ヘモグロビンが“どのくらいの割合で存在しているか”を%で表したものになります。

一般的に、数値が6.5%以上で糖尿病が疑われるという「ヘモグロビンA1c」。
血液中に含まれるブドウ糖の濃度を数値化した血糖値が、直前の食事や運動量に影響を受けやすいのに対して、直前の食事などの影響を受けづらく、過去1カ月から2カ月の血液の状態を示す、中長期的な指標となります。

――ヘモグロビンA1cの数値が高い人の特徴は?
薗田憲司院長:

肥満があること、高齢であること、遺伝があること、この3つ。
40歳を超えてくると大体4人に1人が糖尿病か、もしくはその予備軍。ヘモグロビンA1cが上がってきていると考えられます。

40歳以上の4人に1人が糖尿病かその予備軍といわれる中、取材をしていた渡辺和洋アナウンサー(49)も実は悩みがあるそうで…。

渡辺アナ:
朝起きたときにだるいんです…。普段あまり運動をしないので。その分めちゃくちゃ食べるんで。睡眠時間は4~5時間ぐらいですね。

そんな渡辺アナのヘモグロビンA1cの値を確認してみると…、結果は「5.8%」。

渡辺アナ:
微妙ですね。良くはないけどまだ大丈夫ですか?

薗田憲司院長:
そうですね、ちょっと(数値が)高めで。大体平均が5.5%とか5.4%ぐらいな印象がありますので。体に対する負担というかストレス、食事面、運動面の負担が強い可能性があるのかなと思います。
睡眠時間7時間ぐらいが、一番糖尿病になりにくい数値と言われていて。

渡辺アナ:
睡眠時間が短いと糖尿病のリスクも上がるんですか?

薗田憲司院長:
上がりますね。

今すぐに危険な数値ではないものの、食生活や運動不足などから注意が必要だという結果となりました。

糖尿病予防「お尻突き上げ運動」

中長期的な血糖の状態を反映する「ヘモグロビンA1c」。数値が上がらないようにするためには、どうすればいいのでしょうか?
『サン!シャイン』は、「そのだ内科 糖尿病・甲状腺クリニック」の薗田憲司院長に、運動が苦手な人でも室内で簡単にできる運動を聞いてきました!

▼「お尻突き上げ運動」

① 仰向きに寝て、膝を立て足を肩幅ぐらいに開く

② 足に力を入れておしりを浮かせる、このとき背中まで上がらないように注意。ゆっくりやる方が効果的。3秒で持ち上げ3秒でおろす。

この運動を、なるべく1日に30回×3セット行うようにすると、下半身の筋肉が鍛えられ、「ヘモグロビンA1c」の上昇を抑えられる効果が期待できるといいます。

また、食生活について。糖尿病予防として、糖質制限をする人もいますが、糖質を制限しすぎると糖質に反応できない身体になり、逆に血糖値スパイクを起こしやすくなるといいます。ヘモグロビンA1cも上がりやすくなってしまうため、どんな人でも1日に糖質120g(お米1合ほどの量)は取った方がいいそうです。

血中の糖分濃度を抑える効果があるとみられる、薗田院長オススメ食品として、食物繊維の含まれる玄米、全粒粉パン、そばなどの全粒穀物。低脂質・低糖質のヨーグルトなどがあります。
ただし、総カロリーが増えないよう、取り過ぎには注意してください。

(『サン!シャイン』 2025年11月12日放送より)