滋賀県にある日本最大の湖「琵琶湖」に異変が起きています。
『サン!シャイン』が現地を取材すると、滋賀・長浜市側では沖合から約200m離れた小島まで続く道が見え…。
滋賀・大津市側からは、本能寺の変で織田信長に謀反を起こしたことなどで有名な、明智光秀が築城した坂本城の石垣が見えます。
どちらも普段の琵琶湖では見られない光景…。その理由は、湖の「水不足」です。
近畿地方にまとまった雨が降らず、19日午前6時時点で水位はマイナス72cmまで低下、それにより普段は見ることができない光景が広がっていたのです。
「坂本城を考える会」の事務局長を務める山本正史さんによると、今回大津市側から見られるようになった坂本城の石垣が発見されたのは、約30年前。
当時は琵琶湖の水位がマイナス1m23cmになり、城の石垣とそれを支える胴木が姿を現したといいます。
坂本城を考える会 山本正史事務局長:
(坂本城を)考える会としては歓迎だけど、しかし、そんなこと言ってられない、滋賀県民としてはね。
水深浅く漁に出られない「欲しい人に供給できない」
琵琶湖の水位が大きく下がったことで、深刻な事態に陥っているのが、シジミ漁です。
琵琶湖水系にしか生息していない固有種「セタシジミ」は地元の名産品。
大津市でシジミ漁を営む漁師の吉田守さんによると、今の季節、例年なら毎日漁に出かけているといいますが、現在2日連続で休業状態に。
さらに、浅すぎる水深で船を動かすプロペラが湖底に接触し欠けてしまい、一台10万円近くの修理費用がかかるといいます。
多いときは1時間で10kg、バケツいっぱいのシジミが取れていましたが、2日前に取れたシジミを見せてもらうと、1時間でとれたのはバケツの10分の1程度。
瀬田町漁業協同組合 吉田守さん:
例年に比べて1割くらいしか取れてない。水位が下がることは致命的なことがありますね、(シジミが)欲しい人に供給せなあかんのですが、それができないのは寂しいですね。
近畿地方の水がめでもある琵琶湖。水位がマイナス90cmに到達すると取水制限となりますが、今後まとまった雨は降るのでしょうか。
天達気象防災キャスターによると、近畿地方は低気圧の影響で12月24日~25日まとまった雨が降る予報で、その後も年末にかけ数日おきに天候が崩れていくそうです。
(『サン!シャイン』 2025年12月19日放送より)
