東京都と千葉県の県境で、野生のイノシシが相次いで目撃されています。
11月4日の早朝に、東京・江戸川区の西葛西でその姿が捉えられると、その後、隣接する千葉・浦安市などでも目撃情報が相次いでいます。
『サン!シャイン』は、その痕跡を緊急取材。都心に現れたイノシシの行方を追いました。
いまだ続く緊張 感染症などの危険性も
6日、最初にイノシシが見つかった江東区西葛西の現場を訪れると、そこはマンションが建ち並び人通りも多い場所でした。
区の職員がパトロール用の車両から住民に向けて、「イノシシを見かけたら、決して近寄らず警察へ連絡してください」と注意を促します。
区内の公園では、ヘルメットを被った職員が、さすまたなどを使って草むらの中にイノシシが身を潜めていないか捜索。現場周辺の小学校も、万が一に備えて集団下校を行っています。
過去には、人に突進しけがをさせるなどの被害も出た、野生のイノシシ。
なぜ人里に現れたイノシシは人に襲いかかるのか、イノシシの生態に詳しい、長岡技術科学大学の山本麻希准教授に話を聞いてみると…。
長岡技術科学大学 山本麻希准教授:
イノシシもやっぱりパニックになっていると思うんですよ。
本当は逃げたいんです。でも山に帰れないし、進行方向に人間がいるし、しょうがないからぶつかりに行っているみたいなところがあるんで。
さらに、危険はそれだけではありません。
長岡技術科学大学 山本麻希准教授:
イノシシはマダニがたくさん付いていますので、野生動物ですから。最近かなりダニの感染症が、関東なんかでも出ていまして。
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)っていう、非常に怖いウイルス病だったり、日本紅斑熱とか、かかると…特にSFTSは致死率が非常に高いので。
浦安市でも目撃相次ぐ…遭遇した際のNG行動
11月5日以降は、江戸川をはさんで隣接する浦安市でも、イノシシの目撃情報が相次ぎ、市もSNSやホームページなどで注意を呼び掛けています。
田中良幸リポーター:
浦安市役所のすぐそば、”堀江”という地区でイノシシの目撃情報があったということです。(目撃された現場から)少し入ると閑静な住宅街になりますね。
イノシシは今、一体どこに潜んでいるのでしょうか…。
長岡技術科学大学 山本麻希准教授:
本来は「昼行性」ですね、イノシシは。
ただ、人間がいる時間はやはり人間に会うのが怖いので。人間の集落に来るときは、夜行性に行動を変えます。なので、葛西も昼間は人とか車通りが多いので、多分どこかに必死で隠れていて、夜にうろうろしているんじゃないかなと思いますね。
もし、街中でイノシシに遭遇した場合は、以下のような行動をとってはいけません。
▼イノシシと遭遇した際のNG行動
・大きな声を出す
・急に動く
・イノシシに攻撃する(棒を振り上げる、石などを投げる)
・イノシシの進行方向をふさぐ(邪魔をする)
対処法として、「イノシシを見ながらゆっくり後ずさる」「物陰を利用して、イノシシの視界から消える」「ブロック塀の上など高いところに避難する」といったものがあります。
また、襲ってきた場合は、太ももなどを噛まれると失血死する可能性があるため、首の後ろで手を組み、地面に伏せるように丸くなってください。
(『サン!シャイン』 2025年11月7日放送より)
