疲労回復に効果的な睡眠の取り方や、休みの過ごし方について専門家が解説しました。
女性が気になる話題について、スタジオで生討論を繰り広げるフジテレビ『ノンストップ!』の金曜恒例コーナー「ノンストップ!サミット」。
今回は、「バタバタする日々に知っておきたい休養学」というテーマで、MCの設楽統さんと三上真奈フジテレビアナウンサー、千秋さん、カンニング竹山さん、白鳥久美子さん、『婦人公論』元編集長の三木哲男さんがトークしました。
疲労を放置すると、糖尿病や痛風、がんなどにつながることも
スタジオには書籍『休養学』が話題の医学博士・片野秀樹先生が登場。片野先生によると、健康になるための3本柱である「運動」「栄養」「休養」のうち「休養」だけは学校で学んでいないので、HOW TOがわからない人が多いといいます。
片野先生が「特に日本では働くことが美徳だという考え方が強い」と言うと、三木さんも「リモートワークが増えてから、余計に仕事と休みのメリハリができなくなってきている」と実感を語りました。
「『発熱』や『痛み』などわかりやすい症状に加えて、『疲労』も病気になる前のシグナル」と片野先生は警鐘を鳴らし、疲労を放っておくと糖尿病や痛風、感染症やがんなどの病気のリスクが高まると主張。
疲労が溜まると神経や免疫、代謝のバランスが崩れてしまい、それが原因で病気を引き起こすこともあるのだそうです。
千秋さんは「20代のころバラエティとドラマが同時進行で、眠れない&遊べない日々が続いて危機感を感じた。その後は仕事量を調整してもらうようになったが、あのままだったら仕事がイヤになってしまっていたかも」と、疲労を放置することの怖さを語りました。
「疲れたから休む」のではなく「休んで活力をチャージして働く」と考え方をシフト!
疲労を放置しないためにオススメなのが、「休みファースト」という考え方。片野先生は「平日疲れたから休日に休む」という考え方から、「休日に活力をチャージして平日を乗り切る」というふうに「休日」の捉え方を変えてみてほしいと訴えました。
竹山さんは「確かに正月にしっかり休んで仕事に行くと、やる気に満ちあふれているように感じるし、実際に仕事が回る」と大きく頷き、三木さんも「アメリカのコンサル会社では、『最初に休みの計画を立てると仕事の生産性が上がる』と言われている」と補足しました。
睡眠の質を上げるために意識したいルーティンと食べ物は?
「休みは権利ではなく『義務』」と考える片野先生は、「心身ともにリフレッシュするためには睡眠が大切。特に最も深いノンレム睡眠に入る『寝始めの90分』を大事にしてほしい」と具体的な「休養」の取り方について紹介しました。
寝始めの90分には、疲労回復に役立つホルモンが特に多く分泌されるそうで、その時間の睡眠の質を上げるには、「寝る約90分前に入浴する」「寝る1時間前からはスマホやPCを見ない」「寝る直前に軽いストレッチや深呼吸をする」というルーティンを作るのがオススメだといいます。
白鳥さんは「子どもを寝かしつけた後、自分が寝る前の時間はどうしてもスマホを見てしまう」と苦笑しましたが、スマホを見ていると寝るために必要なホルモンが分泌されるのが遅くなってしまうのだとか。
一方で、以前は夜10時〜深夜2時が「睡眠のゴールデンタイム」と言われていましたが、最近はその考え方はあまり主流ではなく、何時に寝入るかということよりも、寝てからの90分の質を上げることを意識してほしいと、片野先生は解説しました。
「年を取って夜中に何度も起きてしまうが、よくないこと?」という疑問に対しては、「年齢が上がると体がそうなってくるので仕方ない」と片野先生。ただし、お酒を控える、トイレに起きないように準備するなど、睡眠の質を上げる行動は常に意識しておくとよいそうです。
そもそも、ベストな睡眠時間の長さは人によって大きく違うそうで、リラックスをもたらす精神伝達物質である「GABA」を含むトマトやキムチ、睡眠誘発ホルモンである「メラトニン」の材料となるトリプトファンを含む牛乳や納豆を意識して摂取すると、睡眠の質の向上に効果があると考えられているのだそうです。
また、最近注目されている「リカバリーウェア」は、「寝返りのしやすさ」が選ぶ時のポイント。
リカバリーウェアは、血行を促進して疲労を回復させるような特殊な繊維を使って作られている物が多いそうで、「寝返りする時に動きを阻害されるとせっかくの眠りの妨げとなるので、伸縮性に注目してほしい」と片野先生はアドバイスしました。
休養は寝るだけではない!「攻めの休養」のためにやりたいことをリスト化するのが◎!
片野先生は「攻めの休養」という考え方も紹介。「休養」には「睡眠」だけでなく、「運動」「親交」「娯楽」「造形/想像」などの活動も含まれるといいます。
子どもと遊園地に行ったり、旅行に行ったりという「娯楽」は「休養」とは程遠いように感じますが、「『子どもや夫のため』ではなく、自分がストレスを感じずに楽しめるならOK」と片野先生。
千秋さんは「確かに80年代の歌謡曲を夜通し踊ると疲れるけれどスッキリする」と納得した表情を浮かべ、竹山さんも「睡眠の質のためには酒はダメなのかもしれないけど、友だちと酒飲んで笑うといい気分だし、野球を見に行くのも楽しい」と同意していました。
「攻めの休養」を取るために、休みがあったらやりたいことをリストアップした「休養リスト」を作るのもオススメだそうです。
「自分が何をしたらリフレッシュできるのか気付いていない人も多いので、自分の認知のためにリストアップするとよい」と片野先生は語りましたが、千秋さんが「リストにすると、それに追われてストレスになりそう」と不安を口にすると「そういう人はやらないほうがいいかも」と助言。
実際に「休養リスト」を作成してみたという白鳥さんは、「子どもに隠れてお菓子を食べる」「1人焼き肉」など実際にやっていることと、「マッサージ」「ライブ」「トランペットを再開する」など今後やりたいことを披露しました。
白鳥さんは、2016年にニッチェの2人と光浦靖子さんとバンドを組み、トランペットを担当していたそうで、「リストを作っていて、久しぶりにトランペットをやりたいと思い出した。1人になれたら何がしたいか、意識できてよかった」と、「休養リスト」の効果を実感したようでした。
最後に、年末年始の「休養」の取り方について聞かれた片野先生は、「ダラダラするのを避ける。昼間にしっかり活動すると睡眠の質が上がるので、あまり長く寝すぎず、普段のリズムで生活してほしい」とエールを送っていました。
『ノンストップ!』(フジテレビ)2025年12月12日放送より
