着物やアルバム、デジタル遺品などの生前整理のポイントについて専門家が紹介しました。
女性が気になる話題について、スタジオで生討論を繰り広げるフジテレビ『ノンストップ!』の金曜恒例コーナー「ノンストップ!サミット」。
今回は、「元気なうちにやって安心!生前整理」というテーマで、MCの設楽統さんと三上真奈フジテレビアナウンサー、カンニング竹山さん、千秋さん、秋野暢子さん、『婦人公論』元編集長の三木哲男さんが話し合いました。
「生前整理」を始めた秋野暢子「生前整理は次の人生を楽しむための準備」
秋野さんは、数年前から「生前整理」をスタート。60歳で「尊厳死協会」に入ったのを機にエンディングノートを書き始め、旅行や勉強など自分がまだ「やっていないこと」を意識するようになったといいます。
「『生前整理』というと終わりに向かって進むイメージがあるかもしれないけれど、むしろ始めてみたら次の人生を楽しむための準備だと感じた。自分に足りなかったことをもう1度気付かせてくれる、それが目的だと思う」と秋野さん。
竹山さんは「考えたことがないけれど、自分が急に死んだら車やバイク、キャンプ道具などの整理をするのが妻は大変なんだろうな」と想像し、千秋さんは「自分が集めている80年代のファンシーグッズは娘にとってはゴミ。価値をわかってくれる人にきちんと届くようなルートを作っておきたいけれど、どうすればいいの?」と頭を抱えました。
整理収納プランナーの中谷亜古さんは、「いつかやろうと思って手がついていない人が多いが、いざやろうと思ったら体が動かないことも多いので、元気なうちに始めてほしい」と、2人にエールを送りました。
着物やアルバム、宝石など…「形のある遺品」はどうやって整理する?
中谷さんによると遺族が残されて困るものには、不用品なのか保管品なのかが区別しづらい「形のある遺品」と、銀行口座やPCやスマホのデータといった「形のない遺品」があるといいます。
まずは「形のある遺品」の整理のポイントを、69歳の女性の例をもとに中谷さんが紹介。今回中谷さんは、依頼人の女性と一緒に「着物」と「アルバム」を整理していきます。
「着物」の整理は、すべての着物をジャンルごとに並べるところからスタート。依頼人は親から残しておくよう言われていた「大島紬」以外は処分するつもりだったそうですが、専門家のアドバイスも受けて孫の世代に引き継ぐことができる「振り袖」などもしばらく残しておくことになりました。
専門家によると、「大島紬」のように「証明書」があるとないとでは売るときの価値に大きく差が出るものもあるので、処分する前に注意が必要なのだそうです。
「もう見返す機会もない」というアルバムもすべて処分する予定でしたが、中谷さんはお気に入りの数枚は残しておくようにアドバイス。1度に終わらせようとすべてを処分した後に後悔するケースも多いので、数回に分けて進めると良いのだといいます。
秋野さんは「自分が見ないものは子どもも見ないと思って、必要なものをデータ化してアルバムはほとんど捨てた。洋服も半分は捨てて、空いたスペースをジムにした」と、「次のステップ」への気持ちの切り替え方を伝授。
三木さんも「ある大女優が、捨てられないと悩んでいた大量の着物にハサミを入れたら力が湧いてきて、それを機に次に進むべき人生がわかったと言っていた」と、取材での経験を語りました。
「子どもには着物の知識がないので、たくさん所持している着物を自分でどうにかしたい」という80歳女性のお悩みに対しては、「専門の業者に見てもらうのが良い」と中谷さん。
中谷さんは以前、ある家庭の整理中に捨てようとしていたメガネのツルがすべて金だったことが判明し、高く売れたことがあったのだそうです。
話を聞いていた秋野さんは、「親から受け継いだ形見など、価値とは別に大事にしてほしいものもある。そういうものは、メモを残しておくようにしている」と付け加えていました。
デジタル遺品で家族に迷惑をかけないためにできることは?
近年、ネット銀行やPCやスマホのデータといった「形のない遺品」では、サブスクを巡るトラブルが増えているといいます。
ノンフィクションライターの古田雄介さんによると、そもそも故人がどのサブスクを契約しているのかわからないまま料金が引き落とされ続けるケースも多く、(遺族が)すべてを解約するのには大変な手間がかかるのだとか。
料金を引き落としているクレジットカードを止めても解約にはならならず、(遺族のもとに)督促状が届いて驚く例も多く、解約をしたくても家電量販店や携帯電話会社など、サブスクを契約した窓口がわからないとたらい回しにされてしまうといいます。
竹山さんは「妻に言っていないサブスクがいっぱいある」と苦笑し、千秋さんは「自分で契約したものを解約しようとするだけでも手間がかかるのに、他人のものをやると思うと気が遠くなる。亡くなったら(サブスクを)終わりにできないものか?」と本音を。
秋野さんは「娘に言われて、エンディングノートに全部書き出して、毎年更新するようにしている。スマホのロックの解除も、業者に頼むと高額になると聞いたので、パスワードも書いている」と対策を語ると、中谷さんは「まずは家族で話し合いの時間を取ることが大切」と大きく頷きました。
これを聞いた竹山さんが「まずは1回全部書き出して把握するのはアリかも」と興味を持つと、秋野さんは「必要ない契約に気付くこともできる」と笑顔を。
古田さんは「名刺の裏にパスワードをすべて書いて、上から修正テープを貼って隠しておき、イザというときに家族がテープを削って見られるようにしておく」という方法を伝授し、中谷さんは「パスワード管理ソフトのデータを息子にだけ渡しているという人もいる」と例を挙げました。
「母子手帳や育児日記、保育園の日記や自分の日記などが捨てられない」という71歳の女性のお悩みでは、中谷さんが「家族みんなで読み返してから捨てる。あるいは日記には『亡くなったら処分してほしい』とメモを残すと良い」と助言を。
秋野さんは「毎晩、『幸せ日記』を付けているのですが、1年経ったらそれもすべて捨てている。次は新しい幸せを探せばいいし、日記を遺されるのは(家族にも)迷惑」と、持論を展開していました。
『ノンストップ!』(フジテレビ)2025年12月5日放送より
