奈美は掛川啓(金田哲)とともに、ヒューマン・フューチャー・ブリッジの理事・杉浦吉子(黒沢あすか)に話を聞く。杉浦によれば、経理担当の与田は真面目でトラブルなどを抱えている様子は感じられなかったという。

奈美らが経理スタッフに話を聞こうとすると、杉浦から不在を理由に断られる。しかし、帰りがけに経理スタッフの宮崎絵里子(円井わん)を見つけた奈美は、迷わず声をかけた。

奈美と掛川から与田のことを聞かれた絵里子は、何も知らないと言いつつ動揺を隠せない。そんな絵里子を気遣いながら、彼女の持ち物から子どもを持つ母親であることを見抜く奈美。この日は気を和らげるような世間話をするだけにとどめた。

奈美(沢口靖子)は沈黙を貫くシングルマザーに自筆の手紙を送る

清水紗枝(黒島結菜)がヒューマン・フューチャー・ブリッジの金の流れを調べた結果、業務実態が不明な会社が2社あり、そのうち1社は新興宗教をバックに悪徳ビジネスを行っている黒澤ホールディングスの関連会社だった。

奈美は、絵里子にメールを送ってコンタクトを取ろうとするが、返信が来ない。さらに、掛川が直接会いに行っても、絵里子は「何も話すことはない」と言って立ち去ってしまう。絵里子が何かに怯えているのではないかと考える奈美。

清水は、絵里子をはじめヒューマン・フューチャー・ブリッジの職員が監視アプリによって誰かに監視されている可能性を指摘。

職員が使用する端末に監視アプリをダウンロードさせることで、メールや電話の内容をチェックできる。絵里子が監視下にあるなら、DICTの接触によって彼女に危険が及ぶ可能性が高い…。

奈美からの自筆の手紙を受け取る絵里子。奈美は、それまでの強引な捜査を謝罪したうえで、第三者にのぞかれたり、改ざんされる心配のない手紙でやりとりをさせてほしいと記していた。

しかし、絵里子は奈美からの手紙を捨ててしまう。

シングルマザーとして5歳の息子・太一を育てながらヒューマン・フューチャー・ブリッジで働く絵里子。彼女には、与田が殺された理由に心当たりがあった。

絵里子はある時、寄付金と同じ額の金が特定の会社に流れていることに気づき、上司の与田に相談。すると与田は、自分が警察に話すと言い、このことは誰にも言わないようにと告げた。

それからまもなく、与田が殺されてしまう。太一を守りたい絵里子は、次は自分が狙われるかもしれないと怯えていたのだ。