上原の自宅からは爆弾の設計図や起爆装置も発見され、船のGPS情報から上原が純の事故現場に向かっていることが判明。遠隔操作で船内の監視カメラをオンにするよう礼子に依頼した碇は、和田が口にした「やり残したこと」の意味に気づく。
その頃、和田たちはドローンが爆発した付近の防犯カメラに上原が映り込んでいることを発見。そこにやって来た由起子が、上原のシージャックを知らせ、情報提供を求める。
そんななか、純の事故に関する情報を思い出す藤沢。上原は体に爆弾を巻き付け、息子が死んだ場所で無理心中を図ろうとしていたのだ。
詳しい事情を聞こうとする藤沢に、上原は炎上の元になった行為を「クラスメイトにやらされた」という純の言葉を信じてあげられなかったこと、妻・久美が自分たちのせいで純が死んだと苦しんでいたことを打ち明ける。
上原にとってドローンの爆発は単なる実験でしかなく、本当の目的は警備艇を爆発させて警察職員を海に沈め、同じ場所に沈んでいる純の遺体を再捜索してもらうこと。
幼い陸を巻き添えにするのかという麻美の言葉に上原は心を動かされるが、あかつきは目的地に到着してしまった。
家族を愛する藤沢(中尾明慶)の思いと湾岸署の地道な捜査が犯人の心に届く
船内の監視カメラを起動させることに成功した礼子は、カメラのライトを点滅させて藤沢にモールス信号を送ることに。藤沢はモールス信号で状況を返信するが、それに気づいた上原の手でカメラが破壊されてしまう。
息子が死んだのは自分のせいだと思い込んでいる上原に、親は自分に胸を張れる人間でなければならず、子どもに見せられないようなことをしてはいけない、と語りかける藤沢。
そこに碇から無線が入り、純が自殺ではなかったという湾岸署の見解を告げる。
遺体の捜索は打ち切ったものの、捜査を続けていた和田たち。目撃者の証言から、純は釣り糸に絡まってしまった鳥を救おうとするなかで、足を滑らせて海に転落した可能性が高いと判断したという。
「(純の死は)あんたのせいじゃない」という碇の力強い言葉と、「どんなにつらくても、妻としっかり向き合って生きていくべき」という藤沢の説得を受けた上原は、膝から崩れ落ちた…。
藤沢によって確保された上原の身柄を、和田のお陰で事件が解決できたと湾岸署に引き渡す碇と日下部。藤沢の働きを目の当たりにした麻美は、仕事に理解を示し、夫の背中を押す。
せっかくの事件を湾岸署に譲ったことが納得のいかない玉虫だが、礼子が大沢と会った話を聞き、碇と共に盛り上がる。しかし、日下部は碇のためを思った礼子の行動に密かに嫉妬していた。
その後、久しぶりに大沢と酒を酌み交わした玉虫は、「湾岸ウォリアーズ」に対応するために海技の講師に戻ってほしいと大沢に頼み込む。
しかし、「海は命を落とすための場所ではない」と教えるために碇を水上署で受け入れたという玉虫の本心を見抜いた大沢は、「海の秩序を保つことは、世界の秩序を守ること」という水上署の存在意義を改めて確認し、玉虫に水上署の未来を託した。
