巧妙に偽造されたギフトカードを全国各地の金券ショップなどに持ち込み、現金をだまし取ろうとする事件が相次いで発生しています。

全国の600以上のチケットショップが加盟する、日本チケット商協同組合の伊集院理事長によると、普段から見慣れているはずのチケットショップのスタッフでも、見分けられない可能性があるといいます。

日本チケット商協同組合 伊集院浩二理事長:
本物にかなり近いですけどね。一般の方は簡単には見分けられないんじゃないですかね。
チケットショップのスタッフでも、感触が違うのでなんとなくベテランは分かりますけど、入ったばかりの人だと分からないかも知れない。

『サン!シャイン』が独自に入手した、偽造されたギフトカードの画像を見てみると、表面の柄やカード会社のロゴ、偽造が難しいとされるホログラム部分も精巧に作られているのが分かります

しかし、よく見ると本物のギフトカードには、裏面の取扱店の欄に「そごう」の表記がありますが、偽造されたギフトカードは「そでう」。

「三井アウトレットパーク」の「パーク」の部分も、「バーク」と表記されていました。
持ち込まれた5000万円分のギフトカード「本物の異なる箇所が…」
知らない間に、私たちの手に渡っている可能性もあるという、偽造ギフトカード。

『サン!シャイン』が取材した、大阪市にある金券ショップには、2024年以降 2度にわたって、“偽造された”JCBギフトカードが持ち込まれました。

チケットスーパー第一梅田ビル店 竹本哲也さん:
去年、秋口に難波店で外国人による偽造券の持ち込みがあって、JCBの5000円券ですね、80枚(40万円分)。
アジア系の中東系の外国人だったと思いますね。ちょっと紙質がおかしいということで、確認したら偽造券だった。

さらに、今年(2025年)8月にも「5000円のギフトカードを1万枚持ち込みたい」と電話が。翌日、日本人とみられる3人の客が来店し、5000万円分もの“偽造ギフトカード”を売りにきたといいます

チケットスーパー第一梅田ビル店 竹本哲也さん:
「本物かな?」ってちょっと一瞬思ったぐらいの感じではありましたね。
(本物は)この茶色いところに少し凹凸がある、去年の秋の偽造券はこれがつるっとしていた。今回は凹凸があるので本物により近くなっている。

新たに持ち込まれた“偽造ギフトカード”は、ショップのプロがさわっても判別が難しい精巧な作りだったといいます。しかし、裏面をよく見てみると“ある違和感”が…。

チケットスーパー第一梅田ビル店 竹本哲也さん:
文字が違うだとか真正券(本物)と異なる箇所が見つかったので、これも確実に正しい点がないということで、警察への通報に至ったという状況ですね。
偽造されたギフトカードは、他にも見つかっています。

大手買取専門店・「買取大吉」に持ち込まれたのは、全国的に流通している旅行券の偽物。
来店した客が、ブランドの時計と共に1万円と印刷されたものを2枚、店側に買い取りを求めたといいます。しかし…。

買取大吉 査定員・松本和也さん:
商品券っていうのは通常、表裏一枚で一気に印字するんですけれども、お持ち込みされたものに関しては、表を印刷したものと裏を印刷したものを貼り合わせて作ったものになっておりまして、剥がれてしまっていた。

一枚の紙でできているはずの旅行券が、2枚の紙を貼り合わせたものだったのです。店側は、“偽造された旅行券”だと判断し買い取りを拒否。

客は「他人からもらったもの」と説明したといい、偽造されたものと知らずに、手にしてしまった可能性があるといいます。
偽造ギフトカードを見抜くためのポイント
日本チケット商協同組合の伊集院理事長によると、このような偽造ギフトカードは、東京の新橋や埼玉県内の金券ショップでも確認されており、この2~3カ月でギフトカードや株主優待券など5~6種類が出回っているといいます。

偽造されたギフトカードの見抜くために、怪しいと思ったときは、以下の部分をよく確認してください。

・ホログラムが実物と比べると違う
・紙の質感が異なる
・実在しない店舗がある
ギフトカードを偽造した場合、有価証券偽造罪に問われ、3カ月以上10年以下の拘禁刑となりますが、もし、偽造されたギフトカードを使ってしまった場合どうなってしまうのでしょうか?
若狭勝弁護士によると、状況によって2つのパターンがあるといいます。

▼偽造だと知って使用した場合
偽造したギフト券を買い物に使ったり、人に売ったり、渡したりした場合でも、「偽造有価証券行使罪」という犯罪に該当
▼知らずに使用した場合
特に罪に問われることはない

詐欺・悪徳商法ジャーナリストの多田文明氏によると、近年、偽造ギフトカードが増えている理由として、「新紙幣になって紙幣の偽造が難しくなった」「ホログラムや紙質に違いがあっても一般人では見分けられない」「レジを通す必要がない」「全国で広く利用できる」などが挙げられ、日本の犯罪グループと海外の犯罪グループが手を組んだ、偽造や密輸に特化したグループが海外の印刷工場で偽造して日本に持ち込んでいるといいます。

ギフトカードが偽造されたJCBは、『サン!シャイン』の取材に対し、「全国のJCBギフトカード取り扱い加盟店様にお知らせし、偽造券発見時には警察への通報とJCBへのご連絡をお願いするなど、被害拡大防止の体制を整えております」と回答しています。
(『サン!シャイン』 2025年10月1日放送より)