自民・公明の与党と、野党の立憲民主党、日本維新の会、国民民主党、共産党、合わせて6党の国対委員長が会談し、ガソリンの「暫定税率」を年内に廃止することで合意しました。
実施されれば、ガソリン1Lあたり25.1円の減税となります。

ここ数年、高い水準が続いているガソリン価格。
クリーニング店「小林ランドリー工場」の小林社長は、暫定税率の廃止により、物流コストが下がることで、資材の高騰に歯止めがかかるのではと期待を寄せます。

「小林ランドリー工場」小林史明社長:
資材の値上がりがすごく激しいんです。物流の(コスト増)問題とかもあったりすると思うんですけど、この2年で1.5倍~2倍になっている部分があるんです。(暫定税率廃止で)物流等のコストが下がってくれればと。
(廃止と)言ったなら法案ぐらい通してくれよって話ですよね。それをしなかったら、何のための選挙だって話で。

物流を担う個人事業主の宅配ドライバーによると、現在、月5万~10万円ほどかかっているガソリン代が、暫定税率が廃止となれば月1万円減。年間で12万円ほど負担が減るといいます。

「デリバリーサービス」個人事業主の宅配ドライバー:
(ガソリン代が)ものすごく負担です。170円になったときとか、やめようかなって…、ガソリン入れるために働くの嫌だなってなりました。
月1万円違えば、全く世界が違うので。ぜひ!もうぜひですね。

年間1万3000円の負担減 財源確保の問題も

実際、暫定税率が廃止されることで、私たちの生活にどのような影響があるのでしょうか?
第一生命経済研究所首席エコノミストのである永濱利廣氏によると、経済的な影響は大きいといいます。

家庭の年間の燃料費の出費約7万6000円が約6万3000円になり、年間1万3000円の負担軽減

配送業などのトラックで利用される軽油の軽油引取税は、1Lあたり32.1円で、暫定税率は17.1円となります。
こちらは、今、国会では見送られることになりましたが、もし廃止になった場合、企業負担は約4500億円物流コスト軽減となり、物価低下につながる可能性もあるといいます。

大きな経済効果も期待される中、廃止には大きな壁も存在しています。それは、国と地方で約1兆円の減収となるため、財源確保をどうするかという問題です。

島根県の丸山達也知事は「県と市町村合わせて31億円の減収。減税をした後の収支をどうするのか」と発言。福岡県の服部誠太郎知事は、「住民サービスの低下など悪影響を及ぼす可能性、恒久的な代替財源の確保を」としています。

(『サン!シャイン』 2025年8月4日放送より)