命に関わる暑さが連日続く中、水不足が深刻化しています。

気象庁によると、7月1日から7月30日までの30日間の降水量の合計は平年に比べて大幅に少なく、東京都心でも平年の49%。九州や本州の日本海側はさらに低く、大分では19%、特に深刻な新潟では、わずか2%となっています。

コメの価格にも影響か?節水呼びかけ

深刻な水不足に見舞われている、新潟県上越市。
平年、上越市の7月の降水量は約200mmですが、今年(2025年)7月に降ったのはわずか1mmほどでした。

水不足は稲の生育にも深刻な影響が出始めています。市内の農家を訪ねると、水田は干上がり大きくひび割れていました。

地元農家 尾﨑実さん:
足元は本当にひび割れて全然水がない状態ですね。パサパサです、湿り気ひとつない。
普通(葉っぱが)ピーンと開いているんですけど、水がなくなると、こういうクルっとした葉っぱになります。
2年前もそうだったんですけど、白っぽいお米が増えて等級も下がって、農家としては収入が減るというか…粒も小さくてはじかれるのも多いというか、製品として売れない…

流通経済研究所の折笠俊輔氏によると、このまま水不足が続いていった場合、コメの生産量が崩れて、価格に大きな影響を与える可能性があるといいます。

水不足は、市民の生活にも影響が…。
上越市内にある「正善寺ダム」の貯水率は、現在わずか12%。前の年の7月には貯水率96%だったことを考えると、危機的状況なのは一目瞭然です。

原因は雨不足だけではありません。
4月に別のダムから水を引く配管が壊れ、浄水場が運転を停止したため、正善寺ダムから生活用水への供給量が増えていたのです。そこに雨不足が加わり、ダムの水位は下がる一方…。

上越地域整備部 田口浩司副部長:
ある程度、まとまった雨がないと(ダムの)回復というのは難しいですね。

上越市は、給水スポットを増やすなど市民へのケアを行いながら、市内の半数以上に当たる約4万6500世帯10万8000人に、40%以上の節水を呼びかけています。

節水区域内に住む人(79):
水はね、ここに2L(市販の水がある)、ここにも水あるし。味噌汁なんかも全部買った水使っています。お米の水も買った水で、あとはお皿にラップをしいて、その上に(料理を)乗せて、食べ終わったらラップを捨てて。(皿を)洗わないようにしています。

節水に取り組み、ダムの貯水量の回復を待つ住民たち。
いつごろ、この水不足は解消されるのか。天達気象防災キャスターに聞きました。

天達武史気象防災キャスター:
今回の台風9号では、あまり水は増さないかなというところではありますが、5日以降に前線が降りてきます。このタイミングで、7日には札幌・仙台・新潟・名古屋・大阪とかなり広い範囲で雨が降りますので、まだ雨量がどの程度かは予測し切れていませんが、来週には、いったん少しだけ回復に向かう可能性があります。

(『サン!シャイン』 2025年8月1日放送より)