ナレーション収録終えた大島さんにインタビュー。とものりさんの覚悟、そして我が子の決断を支える母・かずよさんの大きな心に感銘を受けたといいます。また、現在2児の母として奮闘する大島さんが思う、仕事と子育てのバランスや、仕事に対する変化も語ってくれました。

大島優子「私も見習いたい」息子を受け止める母の大きな心に感嘆

――女性になりたいと懸命に生きるとものりさんと、そんな息子を受け止める母・かずよさんを見守っての感想を聞かせてください。

いろいろな感情がわきました。私の友人で、トランスジェンダーで実際に性別適合手術を受けた人がいるので、その友人の思いを改めて想像しましたし、かずよさん目線に近い、母としての気持ちも考えました。

かずよさんは器が大きくて、とてもたくましく、とものりさんをしっかり受け止める心を持っていますし、すべてを前向きにとらえようとする姿が素晴らしいと思います。私も見習いたいと思うくらい。かずよさんの大きな心が、親子の軸になっていると感じました。

――とものりさんは、幸せを求めながらも「トランスジェンダーは半分諦(あきら)めながら生きていくことが正解」とも発言していました。

とものりさんにも、たぶん誰の人生にも、諦めなければいけないことってありますよね。私の場合は、出産を経て、以前より仕事の制限を感じることもあります。誰もが、やりたいことを全部できるわけじゃない。でも、それは“諦める”というより、“選ぶ”ってことなのかなと思うんです。

ただ、私は子どもが大きくなったら、やりたい仕事をまたできるかもしれないけれど、とものりさんは、子どもが産めないから結婚も難しいと話していました。とものりさんはそういう点も理解した上で、自分の人生をどう謳歌していくか考えているでしょうし、行動に移す力があると思います。とものりさんの覚悟を目にして、すごく力をもらえました。

――かずよさんは、性別がどちらかより「生きているってことが大事」と話していました。

私も友人から「性別適合手術をするんだ」と言われたとき、その時の友人の表情に覚悟が表れていたのを、今でも覚えています。思い切って打ち明けてくれたから応援したいし、一緒にまた思い出を作っていきたいと、その時すごく思ったので、かずよさんの言うとおり、「生きているってことが大事」という言葉が心に響きました。

仕事と子育ての両立に「悩んだこともありました」

――今回は第二子出産後初の『ザ・ノンフィクション』ですが、大島さんは子育てに仕事に、バイタリティにあふれている印象です。

いえいえ、全然!こうして声をかけていただけて、代わりに子どもを見てくれる人がいて、外に出てお仕事をさせてもらえる環境にいるというのは、本当にありがたいです。

――子育てと仕事のバランスはどのように取っていますか? 

この仕事は自己プロデュースありきというか、自分自身が商品なので、自分ではなく子ども中心の生活にシフトするのが本当に難しくて、悩んだこともありました。子育ては最高にクリエイティブなことだと思うんですが、どうしたら良いか分からなくなる時もあって。

だから、こうして一回外に出て“仕事をする自分”を見つめると、家に帰っても良い状態でいられるので、仕事の時間はすごく貴重だと思っています。